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益田 和久

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第114回 手間をかける

2023/05/11

仕事柄、デスクワークの中心は提案書や研修テキストの作成です。
日常業務を振り返ってみると、PowerPoint(以下パワポ)と向き合っている時間が圧倒的に長いような気がします。
コロナ禍以降、オンラインでの商談や研修も増えたことで移動時間は減りましたが、資料作成にかかる時間や手間は以前よりも増えました。
このこと(かかる手間の割合が変わったこと)については、以前の投稿でも書いたと思います。

資料作成が長くなったのは、オンラインだと伝わりづらい内容の補足資料や訴求力を高めるためのアニメーション効果の挿入が増えたからです。
伝わり方(伝達、訴求効果)は相手の反応で確認しますが、プレゼンであればお客さまのフィードバック(要望)、研修ですとアンケートの結果を分析してレベルアップに努めてきました。
間違いなく言えることは、手間をかけたら応分の効果はあること。
手間がかかった分だけの収穫(費用対効果)があるとはいえませんが、様々な手間を積み重ねていくことで、いつしか相乗効果につながっていくことも実感としてあります。

研修の前に事前課題をお願いすることがあります。
研修時間は限られていますので、参加者が一定の事前準備をしてくださると、運営もスムーズですし研修効果も高められます。
ただ参加者にとって事前準備は、時間をとられる行為であるので「できれば研修当日にまとめてやってもらいたい」と思うのは当然のことです。
必然的に参加者によって取り組み度合のバラツキは顕著だったと思います。

10年ほど前に企業の担当者の方から「事前課題のことをうまく説明できないので講師からの案内文のようなものが出せないか」とリクエストがありました。
せっかくの機会なので、研修開催の主旨や事前課題の目的を丁寧に説明した案内文を作成したところ、参加者全員から想定を遙かに超える丁寧な成果物の提出されたのが印象的でした。
その後他の企業でも試してみたところ同じようないい反応が見られ、参加者の上司に記載していただくものも、参加者の受講意欲を動機づけていただくものが散見されます。
参加者の上司の方は、忙しさ故に定型的や儀礼的な対応をされる場合が多かったのですが、丁寧な案内には丁寧な対応で返すのだなと確信したものです。
それからは事前課題をお願いする研修では、講師メッセージと合わせて課題の配信をするようにしています。

また先日はお客さまから別の依頼がきました。
公募型の研修をエントリーさせていただいていますが、募集案内に私の動画メッセージをつけてほしいという内容です。
当該研修が思考力啓発のもので、ちょっと変わった実習を採用しているので、一見「面白そうだけど一体どんなことをやるの」という印象をもたれる方もいらっしゃるようなのです。
そこで今回は、Zoomのバーチャル背景機能を使った自撮りプレゼン方式で、10分弱の研修内容解説動画を作成し参加者募集をしました。
自撮りで手軽に作成できるとはいえ、それなり手間はかかります。
ただその分、参加希望者は圧倒的に増えたようで、やはり手間をかけることは大事なことだと実感します。

コロナ禍になり、オンラインツールやIT系のソフト、サービスが増えました。
機能も使い勝手も日々着実に進化しています。利用シーンに合わせて、適切なサービスや機能を使い分けていくことが、これからの新しい働き方につながっていくことを実感している今日この頃です。