HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

深山 敏郎

ホーム > 深山 敏郎 > 記事一覧 > 第93回 対人関係のレジリエンス(1)男女間のコミュニケーション④

第93回 対人関係のレジリエンス(1)男女間のコミュニケーション④

2023/03/28

前回は、対人関係のレジリエンス(1)「男女間のコミュニケーション③」として、男女の違いを脳科学などの観点から探ってきました。

今回は「過剰」と「過少」、ストロークの大切さなどについてお話ししましょう。

「過剰」と「過少」

男女間のコミュニケーションにおいて、相手の意図を察するということを「過剰」に行っているときがないでしょうか。
「気を利かせる」、「気働きをする」といったことが過剰になる局面は例えば、デートの時、贈り物を考えるときなどがあるでしょう。
男女間のコミュニケーションというと、恋人とうまくコミュニケーションを取ることも大事ですが、夫婦などのパートナー同士のコミュニケーションも大切です。
こうしたときに、過剰に気を利かせることがプラスに働く場合もあるでしょうが、それは相手の主体性を重んじていないというケースも多々あります。

例えば、「いつでも私が鍋奉行」といった仕切りやさんや、相手に何もさせないといったことも時には「過剰」な気働きで、相手の主体性を阻害している場合があるようです。

それとは逆に、ストローク、つまり愛情表現の言葉やボディ・タッチが「過少」になっている場合もあります。
これは相手の存在を十分に認めていないということにもつながります。

夫婦・パートナー・親子でもストロークが必要

ストロークが少ないと、相手は「ストローク欠乏症」あるいは「愛情欠乏症」に陥ることでしょう。
親子でスキンシップがない、笑顔で話す言葉も少ないといった状態です。
親子でもそういうことが起こります。
そうすると、例えば子供が欲求不満になって非行に走って親のストロークを求めようとする。
そうしたことが起こります。

夫婦が長年連れ添って、言葉に出さなくとも何となくお互いに良い雰囲気である、ということはありうるでしょう。
しかし、それだけではなく、言葉やボディ・タッチによるコミュニケーションも重要です。

親子ならば、特にお子さんが小さいうちは、ボディ・タッチは必須です。
優しく、慈しむようなボディ・タッチは子供の成長を促します。
逆にボディ・タッチが欠乏すると、お子さんの成長は著しく阻害されるというケースも多く起こります。
笑顔での言葉がけの重要さももちろんです。

オフィスではもちろん、ボディ・タッチはセクハラになるケースが多いため、特定の場合を除いては、あまりお勧めはできません。
しかし、どなたとでも言葉によるストロークの交換は出来るはずです。
前回ご紹介した「タクト」(相手に何かを求めないコミュニケーション)を使って、「今日は暖かくて気持ちいいですね」とか「今日は花粉が多く飛んでいますね。つらくないですか」といったコミュニケーションでもよいのです。

男女の場合、特に話すことがないといったケースでは、この「タクト」コミュニケーションをきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
その内、お互いの気持ちが打ち解けることが多いでしょう。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

 (筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
http://miyamacg.com/
toshiro@miyamacg.com