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益田 和久

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第94回 阻害要因

2022/12/22

10月以降は出張が多く、飛行機や新幹線に乗ることが多くなりました。
地方では必ずタクシーに乗ります。
出張族の私には当たり前の光景ですが、コロナ禍以前と比べて違うのは、キャッシュレスが進んだことです。
どこに行くのもスマホひとつでスイスイ。
飛行機は以前からスマホだけで搭乗できたのですが、(東海道)新幹線は別途エクスプレスカードが必要でしたし、タクシーにおいては電子マネーに対応していない車のほうが圧倒的に多かったような気がします(あくまで個人的感想)コロナ禍になって「非接触支払」が進んだこともあり、移動はよりスムーズなものになりました。

財布やカードを出さないだけでも随分と便利なのですが、私的に便利だと感じるのはその後の「精算業務」。
CMでもやっていますが、購入時に紙の領収書をもらう必要がないので、財布もかさばらないし、なくす心配もない。
後日スマホアプリから発行できるので、とてもやりやすくなりました。
タクシーは乗車した区間や時間もわかるので、思い出す必要もないです。
お客様に交通費明細を提出するときも、以前は紙の領収書をスキャンしていたのですが、今はアプリ上で簡単にPDFにしてメール添付ができます。
まさにスマホ一つで全てが完結するようになりました。
駅や空港で乗車券(搭乗券)を購入するための行列している方や新幹線車中で領収書を整理している方を見ると「全部スマホでできますよ」と教えてあげたくなります(笑)
いずれにしても、確実にキャッシュレスは進んでいくと思いますし、もっと推進したほうがいいと思います。
この点については、以前の記事でも書きましたので是非ご覧ください。

このキャッシュレス推進の流れの中で気になることがあります。
私がよく乗車(搭乗)するのは東海道新幹線(JR東海)とANAですが、両社とも改札(搭乗ゲート)を通過するときに、座席番号が記載された「紙」が発行されます。
新幹線は取り忘れる人は多いようですが、飛行機は職員の方に促されるので取り忘れることはないです。
いずれにしても、その「紙」がなくても乗れないわけではないので、何の意味があるのかなぁとずっと疑問に思っています。
スマホのアプリを見れば座席番号はわかりますし、これこそ紙のムダではないかと思うのですが、スマホでの乗車に慣れない方もいらっしゃるので、サービスの一つなのでしょうか。
ただ、東北新幹線(JR東日本)に乗車するときには、その紙は出てこないので、各社次第なのですかね。

そこでふと感じたのが、新しいことを推進しようとするときの「もしものときの対応」が逆に推進を妨げているのではないかということです。
先述した通り、キャッシュレス決済のいいところにペーパーレスという点もあります。
そこにペーパーが出てきてしまっては、ペーパーレスの良さを感じづらくなってしまうのではと思います。
研修で業務改善についての参加者からお話を聞くことがありますが、ペーパーレスの話はよく出ます。
そこでよくある相談が、ペーパーレス推進の阻害要因として「必要な場合もあるかもしれないからといって印刷する人がいる」ことをよく聞きます。
確かにペーパーレスへの移行期は、慣れない人やうまく対応できない人もいるので、紙を用意しておく配慮が必要というのもわかるのですが、どこかで線引きをしないと、いつまで経っても完全移行ができないような気がします。
「もしものときの対応」を準備しておくことも必要ですが、新しいことを推進しようというときには、思い切り針を振り切るような対応が大事なのではないかなと思う今日この頃です。