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三原 勇気

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第13回 命を守るためのネガティブ思考

2022/12/03

マネジメントにおいて、
上手くいかなくてもやもやすることや、
こちらの本意が伝わらずに悲しい思いをすることはありませんか。

それは、
目の前の現状としっかり向き合おうとしているからこそ、
様々な感情がうまれていきている証です。

アメリカで行われた心理学の研究によると、
私たちは1日に6万回の思考をおこなっているそうです。

この6万回のうち、
約80パーセント、約4万5千回は、
身を守るためのネガティブな思考になりがちであることがわかっています。

1日24時間、8時間の睡眠をとっているとして、
3秒に2回はネガティブな単語が頭に浮かんでいるのです。

『え!そんなに!?』と思いましたよね。

ネガティブな感情は一見悪者のように思いますが、
脳の構造的に自然と浮かんでしまいます。

なぜ、わざわざネガティブが浮かんでしまうのでしょうか。

ネガティビティバイアスという現象があります。
人はポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意を向けやすく、
記憶にも残りやすいことを表す心理学用語です。

怖い思いをした体験や深く傷ついた経験って、
なかなか忘れられないということはありませんか?

これは、
大昔から人間が様々なリスクから回避して生き延びるために
進化の過程で身についた機能なのではないかと言われています。


例えば個人的な話になりますが、
私はバーベキューでお肉を焼くとき
「赤い部分が残っていないか気を付けて確認すること」が
癖になっています。

それは20代前半の頃、
生焼けの肉を食べて『食あたり』になり、
ひどく苦しい経験をしたからです。

思い出したくないぐらい・・・大変でした(笑)

赤い部分を見ると
「このまま食べたらお腹を下してしまうかもしれない・・・こわい」
と頭に浮かんで、しっかり焼き直します。

このように、怖い・悲しい・怒りなどネガティブな感情も、
生きるために必要であり、一概に悪いものではありません。

周りの人の感情も自分自身の感情もネガティブを悪者とせず、
ぎゅぎゅっと受け止めていきたいですね。

そのために、その感情はどういった経験に紐づいているのか、
そして自分の捉え方にどんな癖があるのか、
見ていくことが客観性をもって受け止めるためのヒントになります。