HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

深山 敏郎

ホーム > 深山 敏郎 > 記事一覧 > 第76回 職場チームのレジリエンス(3)チーム目標と個人目標

第76回 職場チームのレジリエンス(3)チーム目標と個人目標

2022/11/29

前回は、「チーム目標の作り方」についてお話してきました。

今回は「チーム目標と個人目標」というテーマでお話をします。
前回お話したSMARTコンセプトについて簡単に振返ってみましょう。

目標設定の鍵はSMART(スマート)コンセプト(復習)

目標設定は、個人でもチームでも以下のSMARTコンセプトが役に立ちます。
このコンセプトは、以下の5種類の内容を含みます。つまり、良い目標の要素といえるでしょう。

S:Specific(具体的)
M:Measurable(測定可能)
A:Achievable(達成可能) 
R:Relevant(関連性がある)
T:Time-bound(期限が明確)

これらの5つは、良いチームや個人目標の「要素」でした。この5つの要素が整っていれば、良い目標なのでしょうか。
YESでもありNOでもあります。
この中のR:Relevant(関連性がある)ということの意味を狭く捉えると、上位目標と下位目標を勘案しているということになります。

上位目標をチームがどれだけ深く・幅広く理解しているか

実はこの上位目標をどこまで深く・幅広く理解しているかが鍵になります。
例えば、会社の目標がなぜその数値なのか、なぜそれをするのか、ということをチームが具体的に理解していることが必須です。
それには社内の状況だけでなく、外部環境の変化や世の中のトレンドに気づかなければなりません。

上から降りて来た目標には「理由」があります。
社内それぞれのチームがトップの意思を深く、そして経営環境まで細かく理解しておくことが必要なのです。
それによって、環境変化が起こった時にはどのように目標そのものや達成方法を変えていくかを理解しておくことになるのです。
上から言われたから、というだけの理由で目標を設定しているようであれば、チームリーダーは失格ですし、また、メンバーとしてもあまりにも安易です。

メンバーのことをどれだけ具体的に理解しているか

チームは複数の人の集まりです。

チームメンバーそれぞれの事情について相互に理解しておくことが重要です。
誰が近い将来、介護や産休・育休を希望しているか、将来、どのような働き方をしたいのか、誰がどのような強みを持っているのかなどです。
これらのことを相互に理解することによって、強いテニスやバドミントンのダブルスのように動けるのです。

他部署のことをどれだけ具体的に理解しているか

このようにチームメンバーを理解するとともに、会社の各部署がどのような仕事をしていて、どのような課題に取り組んでいるかを具体的に理解しておく必要があります。「そんなことは職場チームの責任ではない」というミクロな視点もあろうかと思いますが、やはりチームとして効果的で動機付けにつながる目標は立案できません。
 
次回はこのプロセス、特に「チーム目標と組織目標の関係」ということについてお話をしましょう。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
http://miyamacg.com/