第74回 解決思考型『感情の扱い方』(知識編)
2022/09/19
今までの記事でも、解決思考型『感情の扱い方』を、散りばめて書いてきましたが、今回は改めて『知識編と実践編の全2回の記事』でまとめようと思います。
解決思考型『感情の扱い方』は、習慣になってしまえばシンプルなのですが、その習慣がないために、みなさん最初は苦労されるようです。
今回のまとめを読んで『いつでも感情を大切に扱い、根本的に解決する!』そんな習慣をつけていただければ幸いです。
1.なぜ解決思考が大切なのか?
2.なぜ感情を大切に扱うことが必要なのか?
3.感情を大切にするとは?
4.解決思考型『感情の扱い方』の基礎知識
このようなトピックスでまとめます。
1.なぜ解決思考が大切なのか?
解決思考があれば
①現実を変えることができる。
②問題を解決することができる。
③プロジェクトを推進することができる。
それらが可能です。
逆にもし、解決思考がなければ、感情がモヤモヤして考えがまとまらなかったり、悩みモードでぐるぐる思考から抜けられなかったりします。
だからこそ、感情を大切に扱い、解決思考で考えることが大切なのです。
2.なぜ感情を大切に扱うことが必要なのか?
現代社会は、感情をマネジメントするかコントロールすることが主流で、大切に扱う『習慣』がありません。
もちろん、自然にできている人もいますが、少数派です。
多くの人は怒りやモヤモヤというマイナス感情をマネジメントしたり、コントロールしています。
または、それすらせずに「また怒ってしまった」などと後悔を繰り返しています。
そのような状況なので、まず、感情を大切に扱っていない『今』に気付いて、大切に扱うことを学ぶことが必要です。
人は理論より、感情で動くもの。
そして、どんな感情であれ、自分の内側から生まれた感情を大切にするということが、本当は「自分を大切にする」ということなのです。
3.感情を大切にするとは?
「今、すっごく怒っている!」「言葉にできないけど、なんかモヤモヤする」「イラッとしている」そんな感情を、そのまま感じるということが、感情を大切にする第一歩。
例えば、イラッとしたら「こんなことでイラッとしちゃダメだ!」とその感情を否定したり、モヤモヤしているのに、その場をうまくやり過ごすために気持ちを誤魔化したり・・・
人とうまくやっていくために、私たちは多くの「感情」を押さえつけたり、誤魔化したりしています。
まずは、無意識でそういうふうにしている、ということに意識的になること。
そして、
「私は、今、そういう感情だな」と、ただありのままを受け入れます。
ちなみに、感情は自然発生で起こるもの。
その感情が『出る・出ない』という部分は誰もコントロールできません。
そして、どんな感情にも、その感情が起こる『理由』があります。
感情を大切に扱えば、この『理由』を言語化することが可能です。
しかし、感情を否定したり、誤魔化したり、発散したりするだけだと、いつまでも、この無意識レベルにある本当の『感情が起こった理由』がわからないので、似たような場面で、繰り返し、同じ感情が起こり続けます。
人を変え、場面を変え、いつも同じようなことで怒ったりモヤモヤする人生です。
そんなパターンを繰り返すのは嫌ですよね?でも現実はどうでしょうか?
感情を大切に扱って、理由を言語化できれば、同じことでイライラしたりモヤモヤしたり、しなくなるんです。
同じことが起こっても、見え方・捉え方が変わるので、現実が変わります。
それが、感情を大切にする、ということです。
4.解決思考型『感情の扱い方』の基礎知識
解決思考を実践する前に、その土台のチューニングです。
まず、部下・上司・環境など『自分以外』に原因があると考えると、決して解決しません。
それは何故でしょうか?
人や環境など、自分以外のことを変えることができないからです。
だからと言って「自分のせいだ」と自分を責めても、何も解決しません。
それは何故でしょうか?
それは建設的な思考ではないからです。
自分を責めて、いいことは何もありません。強いて言えば「こんなに自分を責めている私」という自己満足がメリットかもしれませんが・・・。
なので、大切なチューニング。
解決思考とは『自分以外に原因を求めるのではなく、自分のせいだと考えるのでもなく、ただシンプルに、どうしたらそれができるのか?そのために何かできることがあるか?』を考える思考のことです。
実際に、問題を解決する具体的な『やり方』があります。
その具体的な『やり方』については、次回の実践編で詳しく説明します。
それから、人間関係の解決についてです。
さまざまな課題は、突き詰めると実は『人間関係の問題』だったりするものなので、この部分も大切なチューニングです。
現代社会はどうしても「いい・悪い」の2元思考が主流です。物事を「いい・悪い」で分けてしまうと、簡単に解決することも解決できません。
何故なら、どんな人も自分の正義で思考しているからです。
正解は「全部正しい!」です。
どんなに矛盾していたとしても、一人一人の視点から見ると、全部正しいのです。
物事を「いい・悪い」という2元思考で考える。
それが対立のもとになります。
表面的な『言葉や態度や行動』ではなく、その『意図』を明確にして、それを出し合うことで。
「自分とは違うけれど、相手はこういう意図なのだな」と相互理解をする。
どちらも正しい!全部正しい!根底にこの理解があれば、ほとんどのことは解決します。
また、長いスパンで考えることも大切です。
ぜひ「人間万事塞翁が馬」(じんかんばんじさいおうがうま)という諺を思い出して欲しいのです。
そして、どうしてただの『解決思考』ではなく、解決思考型『感情の扱い方』なのか?
それは、解決思考は理論的な思考で解決していきます。
けれど、人間は理論ではなく感情に強く引っ張られるのです。
だから、まずは感情を大切に扱って、怒りやモヤモヤをスッキリさせてから、解決思考に進むことで、具体的にどんどん進めることができるからです。
今、解決思考やロジカルシンキングがうたわれているけれど、この感情とセットにすることで、さらに理論を活かせます。
だから解決思考型『感情の扱い方』としています。
次回は、具体的な実践編。
感情を大切にした後で、具体的に解決に向かうプロセスをどうぞお楽しみください!
今回は実践前のチューニング的な記事、知識編でした。