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岩田 徹

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第92回 トップが放つ言葉

2022/09/16

J1リーグ第29節。
川崎フロンターレの本拠地、等々力競技場に乗り込んだサンフレッチェ広島。
この試合が始まる時は消化試合数に違いはあれど、
広島が2位、勝ち点1差の3位に川崎。
残り試合を考えると優勝争いに残るには負けが許されない広島。
一方の川崎も負ければ首位横浜Fマリノスとの勝ち点差が広がり、
優勝から遠のくという重要な一戦。

試合は序盤に前線からのプレスでチャンスを作り出す広島。
惜しいシュートを放つなどペースを掴む流れもありましたが、
徐々に川崎にボールを握られる展開に。
すると前半34分に先制を許し、その後も押し気味に試合を進める
ホームチーム川崎に追加点を取られ、最終的には4-0で川崎が勝利しました。

優勝争いに踏みとどまった川崎。
可能性はゼロではないが、優勝から遠退いた広島。
試合後の両チーム、サポーターの雰囲気は天地ほどの差がありましたが、
そんな中、広島のミヒャエル・スキッベ監督が選手を集め、
全員で肩を組んで円陣を組みました。
「この敗戦をしっかり学習して、次の試合に活かしていかないといけない。
1回0-4で負ける方が、4回0-1で負けるよりも良いもんだよ。
少し休憩して次のリーグ戦に挑もう。悲しむ必要はない。顔を上げていこう。
相手は本当に強かった。ここから2日休み。コロナに感染しないようにね!」
と前向きなメッセージを選手、チームスタッフに発しました。

優勝戦線から脱落したとも受け取れる敗戦で落ち込む選手もいたかもしれません。
ですが、チームを牽引する監督の一言で、選手、スタッフのみならず、
広島サポーターも救われた人が多かったはずです。

いい時もあれば悪い時もある。会社経営も部署運営も同じです。
チームを率いるトップが放つ言葉の影響の大きさを感じたシーンでした。