第86回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~
2022/08/21
株式会社XEENUTS(ジーナッツ) 代表取締役 西田 泰彦様(其の2)
今回の対談は、株式会社XEENUTS 代表取締役の西田 泰彦様にご協力頂きました。
株式会社XEENUTS様は、2010年11月設立以降セキュリティーに特化した製品「EXGATE」を開発、販売をされているソフトウェアメーカー様でございます。
今回は株式会社XEENUTS創業から現在までのストーリーを伺います。
金山:先週は、株式会社XEENUTSの創業ストーリーを伺いましたが、創業から現在まではどのような道のりだったんでしょうか。
創業後3年は全く売れなかった
そうですね。
「EXGATE」の原型を作って事業をスタートさせましたが、3年くらいは全く売れませんでしたね。
OEMとして採用頂いている会社はいくつかありましたが、実ビジネスとしては非常に弱かったですね。
実際にお客様のところに行っても、セキュリティの前にスマートフォンが会社でどう使えるかという声が多くてですね、セキュリティにまで行きつかなかったんです。
「EXGATE」の事業は続けていたのですが、それとは別にSIをやったり、前職の時にお世話になったパートナーさんに提案の機会をもらったりしながらなんとか食いつないでいる状態でしたね。
金山:3年間ですか。
創業後3年とすると長い期間ですね。
どのように売れるようになったんでしょうか。
大手競合と競り合って踏み出した大きな一歩
こういう世界が来るだろうというところから出した製品でしたので、パートナー様やOEM先の方々も売りづらかったんでしょうね。
徐々にデバイスの普及と業務利用が広がるにつれて、少しずつ必要としてくれた感じですね。
OEM先がついて徐々に増え始めていましたが、それでも解約があったり続けていくことに苦しんでいた時期もありました。
そんな時に大手航空会社様の案件がパートナー様から相談がありまして、このクラスのお客さんと仕事ができなければ会社として存続する意味はないと思いまして一生懸命提案を進めることにしたんです。
セリングだけで1年半はかかりました。
もちろん大手企業ですので、既存の取引のある通信キャリア様やグローバルに展開されているネットワーク企業さんといった大手競合もいました。
最終的に僕らの製品に決めて頂いたんです。
そこからは個々の案件ごとに技術情報などを出さなくても導入検討を頂けるようになりましたね。
金山:めちゃくちゃ大きな一歩ですね。
なぜ大手競合にも負けずご契約いただけたんでしょうか。
お客様の事業理解
そうですね。
これは過去の経験が大きく影響していると思います。
私が一番最初に就職したのが直販をやる外資系SIerの営業でした。
当時国産の会社さんよりも同じものを高い値段で売らなきゃいけない会社でして。
その中でどのような進め方をすれば契約してもらうのかという点で叩き込まれていたのが、「お客様の事業理解」ということだったんです。
その上でお客様の中期経営計画が数年に一回出るんですけど、その3期分を読んでトレンドを把握しました。
その中に幾つかフォーカスしていく領域があるのですが、一つは原材料の高騰でお客様が非常に苦しんでおられる中でも自社のブランド力を保つ領域と、もう一つは低価格層を狙っていく新しいサービスを展開する領域でした。
そしてもう一つが自社のサービスを提供するための事業を他社にもアウトソーシングするというキーワードがあったんですよ。
特にそのお客様は利用している機材メーカー様と非常に密接な関係性を持っており、その技術力を磨かれていたので、それをサービスとしてその他の会社様にも提供していく内容でした。
私はそのアウトソーシングの考え方を主軸にして提案を絞ることにしたんです。
例えば、南米の奥地の会社様の事業アウトソースを請け負ったときに、日本で端末や回線を準備しなくても、私共の製品であれば現地の回線と端末を利用しながらセキュリティが保たれて、接続先情報をそのままテンプレートとして配信することができる。
それをお客様がご評価いただいて、結果的に我々の製品を採用頂くことになったんです。
金山:素晴らしい!
お客様の事業理解という点を実践するということが容易なことではないと思いますが、結果含めて成功事例として広めたいお話しです。
色々とお話し聞かせて頂きありがとうございます。
次週は西田様が描く今後のビジョンについてお話し聞かせてください。
会社情報
会社名:株式会社XEENUTS(ジーナッツ)
本社:東京都千代田区三崎町2-13-5 影山ビル
事業内容:
(1) モバイルエリアでのシーズ発掘と製品企画
(2) モバイルエリアでの製品/ サービス販売
(3) 企業内の情報を活用するためのシステム開発
(4) 上記システムの運用支援