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益田 和久

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第76回 オンライン診療

2022/08/18

ここのところ、友人や仕事仲間が(家族を含め)コロナに罹患したようです。
無症状の方々は保健所の指示を待って自宅で静養していたようですが、発熱や倦怠感などの症状があった人は大変だったようです。
発熱外来を探して受診しようとしても、その発熱外来も予約がいっぱいだったり、発熱外来自体が見つからなかったり、電話がつながらなかったりと、余計に具合が悪くなったと言ってました(苦笑)。
お盆休み期間は、宿泊交通機関だけでなく医療機関も“混雑”するようです。

諸事情で2つの医療機関に定期的に通院をしていますが、時々オンライン診療にならないかなと思うことがあります。
診察内容としては、健康状態の近況報告→血圧測定→瞳孔検査という流れで、それが終わると処方箋で投薬してもらい終了になります。
所用時間も短いし、それほど待ち時間があるわけでもないので、通院に負担には感じていませんが、それほど込み入った診療でなければ、オンラインでもいいんじゃないかぁと思うわけです。
先生や病院にさりげなくオンライン診療の可能性をお尋ねしたら、当面の間は全く可能性としてなさそうなので頭の中から消し去るようにしました(笑)。

オンライン診療までいかなくても、オンライン予約のシステムがあるだけでも助かります。
私のような定期検診の人ならともかく、具合が悪くて来院している人からすると、病院の待ち時間というのは、苦痛以外のなんでもないです。
オンライン予約ができる病院は、(あくまで私見ですが)コロナ禍以降確実に増えてきていると思います。
自分の順番の数名前になるとリマインドメールが送られてくる病院もあったりして便利です。
病院の混雑防止にもなりますし、患者さんは待ち時間の軽減にもなるので、もっと推進していくべきだと思います。

話はオンライン診療に戻りますが、新聞報道を見る限りでは、オンライン診療は進んでいません。
理由としては3つあるかと思います。
1つは日本医師会がオンライン診療に消極的ということです。(報道によると)医師会の言い分は、診療行為はあくまでも対面を原則としており、誤診で訴えられる可能性や診療動画が流出するといったリスクもあるからだそうです。
また一部の医師からは「手間がかかる」「得られる情報が少ない」といった声もあるようです。

2つめは費用の問題です。
オンライン診療は患者さんの負担額が通院時より高くなるケースが多いのです。
要因としては「システム利用料」などの名目で平均約900円の保険外費用が生じることにあります。
これは国がオンラインの診療報酬を低く設定して、医療機関に医療費以外での割増を認めているので、結果として患者側の負担増になりますね。

3つめは、かかりつけのお医者さんを変えたくないことです。
やはり日頃から診てもらっているお医者さんがいる場合、そこがオンライン診断をやってないからといって、他のお医者さんに変えることはあまりしないのではないでしょうか。
オンライン診療をやっている病院でも「原則初診は対面」という条件があったりします。
かかりつけのお医者さんがオンライン診療してくださるのが、診療する側、される側双方から考えてもベストのような気もしますが、医師によって考えも違います。

それ以外に、高齢の方の場合はITリテラシーの問題もありますが、これは一般的に普及していけば、機器やシステムなどの環境面の整備は進んでくるはずです。
いずれにしても、長い目で見ていくしかないと思います。

振り返ったときに、この2年は「オンラインを活用した仕事の進め方」推進していましたが、医療現場と似ているなぁと思いました。
対面でのやりとりにこだわる会社、オンライン環境(デバイスやネットワーク等)整備への費用面を渋る会社、現在のやりかたを変更するのが面倒な会社と、いろんなパターンがありました。
それぞれのお考えがありますが、オンラインにシフトしていくのは時代の流れからしても必然であり、これからも粘り強く「オンラインとの向き合い方」をお伝えしていくことが、自分の役割だなと思う今日この頃です。