HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

木村 圭

ホーム > 木村 圭 > 記事一覧 > 第18回 伝わる!自己アピール作成の3ステップ

第18回 伝わる!自己アピール作成の3ステップ

2022/05/30

学生であれば就職面接、会社員であれば昇進面談、経営者であれば交流会など、私たちは意外にも多くの自己アピールをする機会があります。

しかし、自己アピールと聞くと「自分にはアピールできることなんてない」「人と比べて得意なこともない」と消極的になる方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、自分の強みを見つけて、相手に伝わる自己アピールする方法をお伝えします。

自己アピールの本質

自己アピールの本質は、『自分の強みを相手に伝える』ことです。そして強みというのは、誰もが持っているものです。「強みなんてない!」という人にも必ず強みはあります。極端な話、赤ちゃんにも強みはあります。

赤ちゃんは幼稚園生や小学生、大人と比べ能力面では劣るかもしれません。生物的には最も弱い状態です。しかし赤ちゃんはその弱さが“強み”でもあります。

例えば、大人がいくら泣いていても、タダでご飯を与えてもらうことはないですよね。しかし、赤ちゃんが泣けば周りはすぐさまミルクや離乳食を与えます。つまり赤ちゃんは生物的な弱さを強みに変えているということが言えます。

赤ちゃんでさえ、こうした強みがあるわけですから、あなたに無いはずはありません。学生や社会人を経験したことがあるのなら、なおさら強みといえるものがあるはずです。

例えば、あなたが自動車工場でアルバイトをしていたとしましょう。自分では「アルバイトは工場勤務しか経験がない」「こんな作業誰でもできる」と思っていたとします。しかし、自動車工場で一度も働いたことがない人に比べれば、少なくともその人よりあなたの方が自動車工場勤務については詳しいということになります。つまりこれはあなたの強みといえるわけです。

強みとは〇〇資格保有のような絶対的なものだけに限らず、他人と比べ優れているかどうかといった相対的なものも含みます。したがって自分では「大したことない」と思うことでも、それができない他人と比べて強みとして差別化させることで、自己アピールに活かすことができるようになります。

そこで、ここからは自己アピール作成の方法を3ステップでお伝えします。

Step1. 自分のリソースを洗い出す

自分の強みを知るためには、まずは自分のリソースを洗い出すことから始めます。リソースとは資源のことで、資格・スキル・資金などの他にこれまでの人生で経験した成功や失敗なども含まれます。何かしら今後の人生のために活かすことができるものであればすべてリソースです。

例えば小学生の時に教室でお漏らしをしてしまったという経験があったとしましょう。恥ずかしくネガティブなエピソードかもしれませんが、その経験があったからこそこまめにトイレに行く大切さを知ったとか、授業の前に水を飲み過ぎないようにしたなどその後の人生に活かせたのかもしれません。

このようにどんな些細なことでも構わないので、自分のその後の人生に影響を与えた。もしくは影響を与えそうなものをとにかくたくさん書き出すようにします。ここでは「強み」や「得意」を特別意識する必要はありません。

小学生や幼稚園の時など自分の記憶が遡れるところまで遡ってひたすら自分のリソースを洗い出すようにしましょう。

Step2. 伝えたい強みを見つける

リソースの洗い出しが終わったらそこから伝えたい強みを見つけます。伝えるということは、その先に相手がいて目的があるはずです。

もしあなたが就職面接を受けるのであれば、相手は就職面接での面接官であり、目的は就職面接を有利にするためだと思います。そこで相手(就職希望先)が求める人物像と自分のリソースを照らし合わせて合致するものを強みとします。

例えば工場では慢性的な人手不足が悩みのひとつと言えます。なぜ人手不足になるのかというと、すぐに辞めてしまう人がいるからです。

それに対しあなたは前職で2年11カ月、工場勤務をしていたとします。また、病気や怪我以外の欠勤もなく出勤率も他人に比べ高いです。つまりこのリソースは相手のニーズに合致する大きな強みということができます。

このように相手が求めていること(=ニーズ)に少しでも引っかかるリソースがあれば、それを強みとしてピックアップしていきます。

Step3. 伝え方を工夫してアピールに変える

強みが見つかったら今度はそれをどうやって他人に伝えるかを考えます。例えば面接官から「自己アピールをしてください」と言われ「前職では2年11カ月勤務しました」と言うだけでは、あまり印象に残らないかもしれません。

しかし次のような伝え方だったらどうでしょう。

「前の職場では3か月程度で辞めてしまう人が多い中、私は2年11カ月勤務しました。辞めてしまった人の多くは単調な作業が苦手ということを理由にしています。しかし、私は効率性を見出すなど作業を単調化させない努力をしてきました。どのような環境でも適応し、モチベーションを維持しながら働き続けることができるのは私の最大の強みです」

両者ともに「2年11カ月勤務した」という同じ強みを伝えているだけですが、後者は他人と比較し、具体的な数字を出すなどしてより「2年11カ月勤務した」という強みを際立たせる工夫がされています。

また、「2年11カ月働くことができた理由」を客観的に分析し、それを「どのような環境でも適応」「モチベーションを維持」という表現に置き換えることで、新たな強みを作り出しています。

このように、自分の強みについて、なぜそれが強みといえるのか、どうしてその強みが出せるのか、そしてそれが相手にどう役立つのか、ということを伝えられれば、立派な自己アピールになります。

まとめ

多くの人は小さい頃から「自慢はよくない」「謙虚な姿勢が大事」と教えられてきました。もちろん、自慢話ばかりしたり傲慢な態度をとったりするのはよくありません。しかし、本来なら強みとして捉えられるものまで「大したことないから」と隠してしまうのは、大きな損失です。

しっかりと自分の強みと向き合い、それを自己アピールという形で表現することで、面接などあらゆる場面で結果に繋がります。ぜひ今回お伝えしたことを実践して、ご自身の強みを見つけてみてくださいね。