プロ野球、中日ドラゴンズで監督を務める立浪和義さん。
桑田投手、清原選手のK Kコンビが3年生で全国制覇を成し遂げた当時、
1年生としてスタンドから応援をしていた立浪さん。
自身が最高学年になった時は主将としてチームを牽引し、
甲子園春夏連覇という偉業を達成しました。
当時のPL学園は現在の大阪桐蔭高校と同様に高校野球界を席巻しており、
打倒PLを合言葉に、全国のチームが研鑽を積んでいました。
そのPL学園には多くの高校野球関係者が視察や見学に訪れ、
強さの秘訣や指導の仕方などを学ばれていました。
その中である高校の監督がP L学園の寮に来られた際、
「お風呂に入りたい。」と言われたことがあったそうです。
そこでP L学園の中村監督が下級生だった立浪さんに、
「ちょっと風呂を見てこい。」と伝えたところ、
5分ほどして、「大丈夫です。」と返事がありました。
その監督が風呂上がりに中村監督に、
「P Lの強さの理由がわかりました。」と言われたそうです。
その理由を確認したところ、
湯加減だけでなく、椅子の上にタオル、石鹸、シャンプーが用意されていたとのこと。
「風呂を見てこい。」の指示だけで、
客人のニーズを先読みし、お風呂に気持ちよく入っていただく段取りを完璧に行う。
こういった選手がいるチームは間違いなく力がある、
K Kコンビが卒業しても強いチームを作ってくると思われたそうです。
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お風呂のエピソードだけではなく、
立浪さんは監督から出る指示に対して、その目的を理解し、
相手が動きやすいように、物事を進めやすいようにしていました。
指示を文字通り実行することは最低限。
できる人材は目的を理解し、その段取りまで進めています。
できる人材とできない人材の差は、そういったわずかなところに現れますね。