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塩崎 俊樹

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【第72回講座】早急に対応してほしい!と言われました…

2022/04/28

飲食チェーンから人が辞めないで育つ仕組みを作ってほしい!と相談を頂き、そのまま仕事に依頼に繋がりました。

最初に現場を知ることの大切さを伝え、その上で最初のステップである人が辞めない体制を作る上で、最も重要なことを見つけてから、具体的な取り組みやスケジュールを決めていく旨を伝えました。
本当の現場を知り、その中から真の課題を見つけていく為には、各店舗の店長や幹部の人との面談、アンケート調査、現場体験などの取り組みが必要であるため、最低でも2か月必要である旨を伝えて進めました。

現場調査中にもどんどん辞めていくスタッフ達

現場の調査を進めていく中で、どんどん明らかになる現場の問題。
そして調査を進めていく中でもどんどん人が辞めていく・・・。
そしてどんどん余裕がなくなっていく現場。
今の状況が数か月続くと、本当に会社が崩壊してしまう。
そう感じるくらい危険な状況であることを確認しました。

そんな中、経営陣の方から「人の離職が止まりません。早急に対策をとって頂けますか」と相談を頂きました。
この相談を頂いた時、あなたはどうすることが望ましいと考えますか?

緊急課題の対処はモグラたたきゲームになる

この相談に対して僕はこう答えました。
「色々な問題が山積していて緊急性が高いことはわかります。しかし、一つ一つの緊急課題に対処していると、あれもこれもとなり、どれも中途半端になるだけでなく、一つ解決したらまたもう一つの問題といったようにモグラたたきゲームになります。

それよりも大切なことは、これらの課題の乗り越える上で最も重要なことは何か?
その突破口が何かを見つけ、そこに集中していくことが大切です。
この突破口を見つけることが一番大切であり、最も怠ってはいけないことであるのです。
ただ今できる最低限の応急措置だけは取りながら、この突破口を見つける活動をすることが大切です。」と。

組織作りの支援をしていく中でファシリテーターが大切にしなければならないことは、目先のことや感情的なことに振り回されないようにゴールを目指した活動を進めることです。
どうしても早く少しでも成果に繋がるようなことをしないと思いがちですが、その視点で対処してうまく行ったことがありません。

1つ解決したら、また別の問題、また別の問題・・・そしていつの間にか改善活動が止まってしまう。
そういった経験を何度もしてきました。

急がば回れの視点を大切に

人と組織はすぐには変わりません。
その原理原則を持って取り組んでいかないと、つい近道を探そうとしてしまいます。
しかし、人材育成や組織作りで近道を通ろうとすると、逆に遠回りになります。
それくらい人材育成と組織作りは、急がば回れの視点で長い目で考える一つがあります。
その根底には人の感情や違いがあるからです。

次々起きていく問題に不安になるのはわかります。
しかし、大切なことは不安がなくなることです。
その為に大切なことは、緊急なことではなく、最も重要なことに焦点を当てた取組みであることを踏まえた上で、一歩を進めていきましょう。

☆今日の質問☆
あなたの組織で人が辞めなくなる為に、最も重要なことは何ですか?