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長谷川 満

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第50回 キャリア採用をする上での「落とし穴」とは?

2021/11/24

今回は、キャリア採用に関することを
書かせていただきます。

中小企業では、概して採用する人材に対して
即戦力を求める傾向があります。

即戦力の人材とは、
一般に「キャリア社員」のことを指します。

確かに、キャリア社員には社会人マナーなどの
基礎的研修は不要ですから、
研修するための時間と労力を節約できたりします。

しかし、どんなことにも
メリットとデメリットが存在しているものです。

今回はこの、キャリア採用と新卒採用の効果を
比較してみることにしましょう。

キャリア社員を採用するメリットとは、
ある程度の経験や専門的知識を
持っているという点です。

これは特に、中小企業にとっては
大きな魅力であるのは間違いありません。

ところが、この「経験」が
時に思わぬジャマをすることがあります。

かつて、私のクライアント先で
このようなことがありました。

それは、ある地方でビジネス展開をしている
不動産会社なのですが、
以前そこで優秀な支店長候補を
採用したことがありました。

会社側も大いに期待しての採用でしたが、
その人は転職をしてきても
前の会社のやり方が染み込んでいて
容易に新しい会社の
やり方に馴染もうとはしませんでした。

能力は高いのに自分の思い込みが足かせとなり、
行動を制限してしまったのです。

私もこれまで多くの会社を見てきましたが、
キャリア社員は、実力がある一方で、
新しい会社のやり方や方針に
なかなか順応できず、中には反発したり、
結果的に会社の足を引っ張ってしまうような
事態を度々目にしてきました。

会社の経営者がもっとも注力すべきことは
組織力を上げることです。

しかし採用に失敗してしまうと、
一歩間違えば社内がバラバラになるような
事態にもなりかねないのです。

会社として、
「社内の組織力を上げる」
「経営者の考え方を浸透させる」
という点においては、
かえって仕事に対する先入観のない
新卒社員の方が、
結果的には早く育ったりする場合があります。

これこそが、多くの会社で
「手間がかかる」とわかっていても
新卒採用を行う理由なのです。

そうはいっても、
今まで新卒採用をしたことのない会社が、
明日からいきなり
「新卒採用を始める」
というわけにもいかないでしょう。

ですから、手が足りないところは
キャリア採用で補いつつ、
徐々に新卒を採用できる体制を
社内に構築していくことになります。

では、キャリア採用で
失敗しないためにはどうしたら
いいのでしょうか?

それは、応募者の経歴や持っている技能だけに
目を向けるのではなく、
「自社にふさわしい人材か?」
ということをよく見定めることです。

履歴書や職務経歴書の見栄えよりも
応募者の人柄や考え方が
自社と合っているのかどうかにも
目を向けるようにしましょう。