HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第29回 顔を見てのコミュニケーション

第29回 顔を見てのコミュニケーション

2021/09/23

緊急事態宣言下ではありますが、対面形式の研修はいろんな企業団体で実施しています。
受講者間の距離、広めの教室、定期的な換気、短時間での意見交換等と、感染防止に様々な対策を講じながら進めています。
そんな中でも、休憩中の雑談や教室一体となっての(納得、笑いや驚き等の)反応を目の当たりにすると、こちらも嬉しい気持ちになります。
ただ対面研修に登壇する度に感じるのが「マスクの壁」。

講師も受講者も事務局も全員がマスクをしていると、どれだけ声や表情に気持ちを込めても、またしぐさを交えて表現しても、意思疎通は何度やっても難しい。
受講者反応の良し悪しに関係なく、受講後のアンケートを確認しないと、受講者の本音が掴みきれないのが実情です。
これは、対面での打ち合わせも同じことが言えると思います。

オンライン研修の場合、パーソナルスペース(自宅や会議室など)で受講する方は、“マスクなし”での参加されるので、画面越しではありますが反応がとてもわかりやすいです。
私は、こまめに受講者に問いかけながら講義を進める「相互通行形式」のスタイルをとっていますが、これも受講者と画面越しのフェイス・トゥ・フェイスの環境があってのことです。

ここ最近改めて感じるのは、顔を合わせる、中でも“フルフェイス(マスクなし)”でのコミュニケーションが、意思疎通という点では大事な要素だということです。
オンライン研修でも、回線の負荷軽減で受講者が画面をオフにしている場合がありますが、そのときは受講者との距離感がつかみづらく、講義の進めにくさを感じます。
大人数に向けての講演形式のものであれば、ある意味一方通行でもいいのかもしれませんが、研修は講師と受講者、また受講者同士が相互通行で情報や感情を共有することで、相乗効果を高めるという大きな目的があります。

コロナ禍になって約1年半、マスクをつけて対面の打ち合わせをすることは日常になりました。
一方で、オンライン越しに“フルフェイス”で打ち合わせをすることも日常になりました。
私的には、オンライン越しフルフェイスのほうがやりやすいなぁと感じています。
マスクという「壁」を外すことで、オンライン越しでもありますが、お互いが本音をさらけ出せるような気がするからです。

また人の表情には人格やスキルが詰まっており、話を重ねることでそれが如実に現れてくることは、これまでの多くの方とお会いしてきて実感をしているところです。
事務的なことであれば、顔出しをしなくても済むかもしれませんが、チームワークやパートナーシップを高めようと思うなら、感情を見せ合うことは不可欠だと思うわけです。

研修のときに受講者から、画面のオンオフの使い分けについて質問があります。
みなさん業種や環境が異なるので、特定のルールはありません。
ただ個人的には、回線障害等がなければ、常に画面はオンにしてコミュニケーションをとったほうがいいと思います。
コロナ禍になって、マスク着用が常態化した今、“オンライン越しのフルフェイスミーティング”は、相手の本質に触れる最も合理的な手段ではないかなと思います。

社内の自席でオンライン会議や研修に参加される場合は、ノーマスクは難しいと思いますが、ここぞという場面では環境づくりをして、フルフェイスでのコミュニケーションにトライしてみてはいかがでしょうか。