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岩田 徹

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第35回 ベテランの存在

2021/08/13

先日閉会をした東京オリンピック。
金27個、銀14個、銅17個と史上最多のメダルを獲得。
新種目のスケートボードで10代の選手がメダルを獲得したり、
御家芸の柔道では金メダル連発など、2週間、存分に楽しませていただきました。
朝から夜までスポーツに触れることができる自国開催のオリンピック中で私は、
ソフトボール、野球、サッカー、バスケット、体操団体、卓球団体など、
どうしてもチームスポーツに目が行きがちになりました。

短期決戦での組織運営という視点で見ると、
各種目でベテラン選手の果たす役割が大きかったと感じます。
上野由紀子さん、内村航平さん、吉田麻也さん、高田真希さん、水谷隼さん、石川佳純さん。
各競技で長年にわたりトップレベルで活躍されている方々です。
代表経験やオリンピック経験が豊富であり、かつ、
チームメンバーとのコミュニケーションが柔和で密な方々という印象です。
各競技でトップレベルの方々ですが、威張ることもなく、
様々な年齢層の選手が力を発揮できるように環境づくりもしていたと思います。
しかもこの方々はプレーでも率先してチームを牽引していました。

初めて訪問する旅先の道中では、予測し得ないことが起こったり、
到着までの時間が長く感じたりするものです。
ですが、その旅先からの帰り道は時間が短く感じたり、
一度行ったことのある旅先の道中では見たことのある景色を楽しむことができます。
ベテランはその道先案内人のような存在で、
オリンピックという特殊な舞台で起こり得ることを経験上伝えたり、
存在自体で安心感を与えることで、普段以上の精神的圧力を和らげる役割を
果たされていたのではないでしょうか。

先に挙げた選手の皆様に共通して感じたことは、
競技中の圧倒的なプレー精度はもちろんのことですが、
競技を離れた場でのコミュニケーションです。
年齢の離れた選手から気楽に話しかけられるだけでなく、
いじられたり、笑いに変えたりしている姿が印象的でした。
選手の皆様、大会関係者の皆様、
楽しい2週間をありがとうございました。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

組織におけるベテランの存在。皆様の会社ではいかがでしょうか?

プレーで引っ張っていける存在でしょうか?
競技を離れた場で信頼される存在でしょうか?
過去の栄光に胡座をかいて慢心しているベテランは、
組織においては早々に役割を終えて不要な存在となっていきます。

時代の移り変わりが早いように、現場での仕事の変化も早く、
過去のやり方だけでは通用しなくなっています。

10代、20代の選手の躍動が勇気や元気を与えてくれたように、
自らプレーで引っ張り、若手が躍動できる環境づくりができる
ベテランの存在が求められているのだと改めて感じました。