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深山 敏郎

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第6回 レジリエンスを高めるポジティブ思考法(2)

2021/07/27

前回はレジリエンスを高めるポジティブ思考法の第1回目として、「真の問題解決力」を身につける大切さや、従来の問題解決技法とポジティブ思考法に基づく問題解決との違いについて理解してきました。
レジリエンスを高めるポジティブ思考法のベースとなる考え方はご理解いただけていると思います。

今回は、問題解決にあたって現状を多面的に把握するための技法としての「リフレーミング」をご紹介します。

リフレーミングという考え方

〇別の考え方を検討する必要性

「ビジネスでは、状況は絶えず変化している」ということをよく耳にします。
ちょっと難しい表現をすると、現代は「VUCA」の時代だと言われています。
「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字を取ったものです。
古くは、経済学者J.K.ガルブレイス氏の「不確実性の時代」(1978年)が時代を表現する言葉として、「不確実性」を使っています。

このコラムは、学術的な研究を意図していませんので、VUCAについてはこれくらいにしておきましょう。

リフレーミングとは、心理学やカウンセリングなどの用語で「思考の枠組みを変える」という意味です。
フレームというのは、額縁を表すことがありますが、ここでは思考の枠組み、つまり思考法、考え方などのことです。
深く検討せずに、常に同じ考え方をすることを「固定観念」といいます。

人は、固定観念を持ちたがるということを理解しておきましょう。
人は誰でも固定観念というものを大なり小なり持っています。
毎朝起きたときに、「私はだれだっけ?ここはどこだっけ?」ということを考えていたのでは、日常生活に大きな支障が出るでしょう。

時には別の考え方をしてみよう

こうした固定観念は、ある程度必要ですが、時には別の考え方が必要になります。
それは、仕事やプライベートがうまくいかない時です。
従来の方法で商品・サービスが売れている時には、そのままで基本的に問題はありません。
しかし、売れ行きが悪くなった、あるいはクレームが多くなったといった時には、売り方を再検討しますね。
あるいはそもそもその商品・サービスがお客様のニーズに合っているのかを考え直すことがあります。

そうした状況でなくとも、ちょっと別の考え方をしてみます。
例えば、営業職の場合、「顧客の反応が良くない、きっと買う気がないんだ」といった考えに陥った場合には、例えば「顧客の反応が良くないと見える、本当にそうだろうか。もう一度顧客のニーズを詳細に尋ねてみようか」あるいは「どのような条件が整えば、ご購入なさいますか」といった質問をしてみるなどの方法があることでしょう。
もし自社のAという商品を本当に買う気がないという時に、商品Aにこだわらず、他の商品を提案してみようという発想もあろうかと思います。

経験を積んだ営業職や卓越した経営者であれば、多くの場合、こうした発想をしていると思います。
しかし、販売が不調の時には、こうした発想が影をひそめてしまい、固定観念に負けてしまうことが多いのです。
こうした私たちの思考のクセに気づいて、冷静に状況を考えてみることがビジネスを助けるのではないでしょうか。
成功している経営者やビジネスパーソンに共通している思考の傾向のように思われます。

次回から2回はレジリエンスの高い人の特徴について検討してみましょう。
なるべく幅広い観点からご紹介しましょう。

toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
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