メールやチャットについては、以前もツールの使い方やルールの運用についてお話ししました。
オンラインに接続していると、いろんな方からのメッセージを常時受信する状態にあり、それはそのメッセージに対する「反応」を要求されていることになります。
すぐに返事をしないといけないもの、後でもいいけど丁寧に返事をしないといけないもの、特に返信をしなくてもいいものと、内容は様々ですよね。日々の仕事においては、不規則且つ大量にくるこのメッセージを、どのように捌いていくのかが、多くのビジネスパーソンが向き合っている恒常的なテーマだと思います。
メッセージ処理をする時間帯を決める(例えば朝昼夕)ことによって、業務集中力を高めるといったことは、第8回の「適度な『オフライン』が必要」でお話をしましたが、今回は、そのメッセージの具体的処理の仕方について考えてみたいと思います。
先日、新入社員の指導員の方々向けの研修のときに「メールの返信は何時間以内にすべきなのか?」といった質問がありました。
時間があるときには、すぐにお返事するのでしょうが、忙しいときは、このメール返信だけでも大変なときがあると思います。
一般論として「24時間以内」という回答をしていますが、自分が返事を待つ立場であれば、早いのにこしたことはありません。
お休みや出張等ですぐに返信ができないときは、不在の旨とお急ぎの場合の手段を記載した自動返信メールがくる場合がありますが、状況によってはとても助かります。
チャットツールの場合は、既読を判別しやすいですし、スタンプで何らかのメッセージを伝えることもできますので、「既読スルー」をされると、あまり良い気持ちはしませんよね。
メールの場合も、どうしても大事な要件の場合は、開封確認メッセージを送ることができますが、毎回は使えませんよね。
いずれにしても、速やかに、何らかの返事をするのに超したことはありません。
以前、大手アパレルメーカーの方々と数年お仕事をしたときに、メールの返信について、参考になったことがあります。
その方々は、メールの内容に合わせて、こちらの仕事の手が止まらないような返信をしてくださるということです。
例えば、メールを受信したことだけ知らせてくれればいいとき、連絡事項が3つあって取り急ぎ1つ目だけの返事がほしいとき、詳細はともかく相手からの提案にYESかNOだけを知りたいときなど、「すぐにほしい反応」はそのときによって違うと思います。
この判断処理がとにかくスピーディーで、サクサクと、スピーディーに仕事を進めることができました。
そして、このような対応が続く中で、私も同じように先方が求めている「すぐにほしい反応」を見極めて対応するようになりました。
以上のことから私が得た教訓は「待ちたくなければ待たせるな」ということです。
何でも早く返事をすればいいというものでもありませんし、きちんと返事をしようとして、必要以上に相手を待たせるのもよろしくないでしょう。
大事なことは、どういう反応(返事)をすれば、相手が気持ちよく仕事を進められるかを速やかに見極め、対応することです。そして、どうしても相手の要求に対応できない状況があるなら、それは早めに返事をしてあげることですね。
ビジネス報・連・相の基本は「悪いことこそ早く」です。
これから、メールやチャットを中心とした「文書コミュニケーション」は更にその領域が増えていくでしょう。
故に、相手の要求に速やかに且つ合理的な対応ができるような情報処理能力を強化していかないといけないですね。
そのためにもコミュニケーションの基本である「相手の立場にたって考える」ということは、改めて重要であると感じています。