息子は大学3年生。
就職活動を始めています。
希望業界(職種)は聞いていますが、どこを受けるとか、進捗状況はどうだとかは関与せず。
ただ「何時から自分の部屋でオンライン面接」という情報は共有しています。
在宅時に、オンライン面接を終えた息子と遭遇することがありますが、上がジャケット、ネクタイ、ワイシャツの正装で下がジャージ姿を見る度に、思わず笑ってしまいます。
仕事柄、採用部門の方々との接点も多いので、就職戦線状況のお話しは伺っておりますが、コロナ禍以降は、オンラインにシフトしているのは確か。
企業説明会や面接も、オンラインの場合は会場も不要ですし、人的労力も少なくて済みますね。
採用部門以外も協力がしやすい。
学生も移動がないので、スケジューリングすれば複数社受験ができるのもありがたい。
あえてデメリットをあげるなら、対面ではないので、”雰囲気”がわからない部分があります。
学生さんからすると、例えば会社の雰囲気。
働いている人、出入りする人の様子や、会社の周辺の環境は、接しているだけで何となく感じるものはありますよね。
企業側からすると、学生そのものの雰囲気。
画面越しで接するのと、対面で会うのとは、やはり違いますね。
これは就職活動に限らず、仕事の打ち合わせにも同じことが言えますね。
そんな現状もあったので、日経で連載が始まった「ルール無用、令和の就活」という特集に目が留まりました。
就活解禁前の選考が、事実上あちこちで行われていることへの警鐘的な内容です。
その連載で注目したのが「AIなしでは戦えない」という記事。
身近にサンプルがあるので、とても興味深く読みました。
今や学生はAI活用をベースに就職活動を進めているのはデフォルト。
ある学生は「就活Craft」というスマホアプリがパートナー。
「目標達成を目指す上での課題は何?」といった6つの質問に回答していくと、そのアプリに搭載されたAIがエントリーシート(ES)では必須の「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」を、あっという間に作成してくれるそうです。
私も以前、学生の就職活動を指導していたこともありますが、ES作成は大変です。
普通に書くと1社あたり3~4時間はかかります。
慣れてくれば多少は早くなってきますが、それでも企業ごとに作成するので大変な労力であることは確かです。
先輩や友人と情報共有することもできますが、周囲に同じ業種、業界を志望する(就職した)人がいない場合は、進め方がわからずに焦る人も多いと聞きます。
そんな状況を抱える人たちでも、一定のベースとなるものはAIが作成してくれるので、不足部分だけを加えて提出して、内定を獲得しているようです。
またESだけでなく、AIは面接にも活用されています。
ある学生さんは、苦手な面接の練習に対話型の「チャットGPT」を使っています。
あらかじめガクチカなどを入力しておき「面接の練習をして」などと指示すると、まるで面接官のように質問が飛んでくるのです。
面接対策は、就職活動指導の経験からしても、想定問答の練習がポイントです。
聞かれそうなことを予測して準備できるのはありがたいはずです。
ただいいことばかりでもなさそうです。
マイナビが2025年卒業予定の学生に実施した調査によると、4割が就活で生成AIを使っていたようです。
企業の採用担当部門からは「ESに独自性がなくなった」と嘆いているようです。
従来の選考手法では「AIで武装した学生」の本来の姿、素の状態を引き出しにくいことは確かです。
企業もアップデートしていかないといけませんし、この手の相談も増えてくることを想定して、社内で検討を始めようかと思った今日この頃です。
次回は企業側の立場での、AI活用について考えてみたいと思います。