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岩田 徹

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第218回 3191日ぶり

2025/02/21

サッカーJリーグの川崎フロンターレに所属する安藤駿介選手。
先日開催されたアジアチャンピオンズリーグ・エリート(以下、A C L E)で、
実に9年ぶり、3191日ぶりの公式戦出場を果たしました。

A C L Eはアジア各国のトップリーグの成績上位チームが集まり、
クラブチームでのアジアNO.1を争う戦いです。
日本からは前々年のリーグ1位の神戸、2位の横浜、
そして天皇杯優勝の川崎の3チームが出場しています。

安藤選手のポジションはゴールキーパー。
たった一人しか選ばれないポジションであり、
毎年チームには4名から5名のキーパーが所属しています。
安藤選手は川崎の下部組織から2009年に入団した17年目の選手です。
途中1年間だけ他チームに期限付き移籍をしましたが、
ずっと川崎に所属し続けています。

プロスポーツの世界では、試合に出場できない選手は下位のカテゴリ含めて他チームに移籍したり、厳しい判断をされると契約解除となり、引退ということもあります。
安藤選手はこの9年間、試合に出場していないだけでなく、
近年はベンチ入りできなかったり、ベンチ入りできたとしても控えという状況でした。
それでもチーム最長所属選手であり、チームのみんなから愛され、頼られる選手で、
勝利した試合後はロッカールームで撮影しSNSに投稿したり、
選手会長として、被災地復興のイベントでのサッカー教室では道具を運んだり、
裏方の仕事も一生懸命に取り組んでいました。

もちろん練習でも手を抜きません。
いつでも試合に出る準備を怠らず、練習から常にベストを尽くしていました。
そして迎えた当該試合では相手チームを0に抑え勝利を飾りました。

プロとして所属している以上、試合に出たい、絡みたいはずです。
それが叶わない状況で9年間、3191日。
様々な葛藤がある中でも、モチベーションを失うことなく努力し続けた安藤選手。
どんな時でも腐らず、チーム内での自分の役割を認識して全力を尽くす。
「あんちゃん」と呼ばれ、年齢関係なく多くの人から愛される安藤選手。
これから先も厳しい戦いがありますが、
3191日というとてつもなく長い時間の我慢を乗り越えて、晴れの舞台で躍動した姿。
安藤選手を見て勇気をもらったベテラン社員も多いかもしれません。
少なくとも私は、もっとがんばろうと思いました。