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長谷川 満

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第213回 自己保身がムダをつくり、組織の生産性が低くなる

2025/01/08

現代のビジネス環境において、
多くの企業が生産性向上を目指しています。


しかし、その一方で、
職場で頻繁に見られる
「自己保身」の行動が、
無意識のうちに生産性を阻害していることを
ご存知でしょうか?


自己保身とは、
自分の立場や評価を守るために
過剰に安全策を取ったり、
失敗を恐れて挑戦を避けたりする行動を指します。


このような行動は、
短期的には自分を守る効果が
あるかもしれませんが、
長期的には個人だけでなく、
組織全体に負の影響を与えることが
少なくありません。


◆自己保身が生み出す具体的なムダ

1.意思決定の遅延

自己保身を優先する人々は、
責任を回避するために
意思決定を先延ばしにすることがあります。

この結果、プロジェクトの進行が遅れ、
重要なチャンスを逃す可能性があります。


2.情報の隠蔽や過剰な報告

自分のミスを隠すために情報を隠蔽したり、
逆に自分の働きを強調するために
過剰な報告を行ったりすることがあります。

これらの行動は、
チーム間の信頼を損ない、
非効率なコミュニケーションを引き起こします。


3.リソースの無駄遣い

失敗を恐れてリスクを避ける行動は、
創造性や革新を妨げます。

また、不必要なリスクヘッジにより、
人的・時間的リソースが無駄に
使われることもあります。


4.組織文化の悪化

自己保身が蔓延すると、
社員同士の協力や情報共有が減少し、
組織全体のモチベーションが低下します。

これにより、生産性がさらに
悪化する悪循環が生まれます。


◆自己保身が生産性に与える影響

自己保身の行動は、
個人の成長や組織の成長を妨げるだけでなく、
心理的安全性を低下させます。


心理的安全性とは、
社員がミスを恐れず意見を言える環境を指します。


心理的安全性が欠如した職場では、
社員はリスクを避け、
結果としてイノベーションや
効率的な業務遂行が難しくなります。


例えば、新しいプロジェクトに取り組む際に、
失敗を恐れるあまり挑戦を避けるチームでは、
従来のやり方から脱却できず、
競争力を失ってしまいます。


さらに、自己保身が蔓延する職場では、
社員が他者を批判し合うようになり、
協力よりも競争が優先されます。


これにより、
チーム全体の生産性が著しく低下します。


◆解決策:自己保身を減らし、心理的安全性を高める

自己保身を減らし、
職場の生産性を向上させるためには、
以下のような施策が有効です。


1.心理的安全性の確保

組織のリーダーは、
ミスを許容し、社員が自由に意見を言える
環境を作る必要があります。

例えば、失敗したプロジェクトから
学びを引き出す文化を醸成することが重要です。


2.透明性の向上

情報共有のルールを明確化し、
社員間の信頼を構築します。

具体的には、定期的なミーティングでの情報共有や
オープンなコミュニケーションツールの活用が有効です。


3.成果ではなくプロセスを評価する

結果だけでなく、
努力や試行錯誤のプロセスを
評価する仕組みを導入します。

これにより、社員はリスクを恐れずに
新しいことに挑戦しやすくなります。


4.リーダーシップの役割

リーダーは率先して自己保身を排除し、
他者を信頼する姿勢を示す必要があります。

リーダー自身がリスクを取ることで、
社員も安心して行動できるようになります。


◆おわりに

自己保身は、
短期的には自分を守る
手段となるかもしれませんが、
長期的には組織全体に
大きな損害を与えるリスクがあります。


逆に、心理的安全性を高めることで、
社員一人ひとりが積極的に行動し、
組織の生産性向上に寄与することができます。


リーダーとして、
自己保身を排除し、
オープンで協力的な職場環境を作ることが、
成功への鍵となるでしょう。



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