11月23日、勤労感謝の日に国立競技場で開催された、
サッカー天皇杯の決勝戦は、ガンバ大阪VSヴィッセル神戸の関西勢対決となりました。
天皇杯は全国のアマチュアチームも参加が可能であり、
都道府県の予選を勝ち抜いたチームが、Jリーグに所属するチームと一発勝負の
トーナメントで対戦します。
アマチュアチームがプロに勝つというジャイアントキリングが起こる大会で、
日本一を争う戦いです。
白熱の決勝戦は1-0でヴィッセル神戸が優勝しました。
ヴィッセル神戸はJ1リーグで昨年優勝し、今年も残り2節で首位。
十分に2冠を視野に入れている常勝チームです。
ヴィッセル神戸のゴールキーパーの新井章太選手は、
天皇杯の決勝進出の立役者で、最高峰でチームを支え、守り抜きました。
しかし決勝戦は本来の正ゴールキーパーであり、
日本代表選手でもある前川選手に先発を譲り、控えに回りました。
プロ選手である以上、先発で出場し勝利に貢献したい思いは強いです。
決勝戦で控えに回る新井選手の気持ちは複雑だったと思いますが、
チームの勝利のため、潔く前川選手に先発を譲り、ベンチで仲間に声援を送ります。
サッカーは5人までの交代が認められていますが、
ゴールキーパーが交代することは余程のことがないとありません。
そのような状況を認識しながら、新井選手は他の選手と共に、
最善、万全のウォーミングアップを続けていました。
いつ出ても、何が起きても大丈夫なように、準備をします。
控えだからと腐らず、ベンチの中からでもできることを探し続けます。
常に勝つチームは控えの準備のレベルが高い。
試合当日のベンチ入りメンバーだけでなく、ベンチ外の選手もまた、
ベンチ入りを狙って最善の準備をしており、意識が常に高い状態で、
レギュラー選手でさえ、いつベンチ外になるかわからない、
そんな危機感を感じられるチームが常勝チームだそうです。
新井選手は以前、常勝期の川崎フロンターレでも活躍した選手です。
その時、強いチーム、勝ち続けるチームは何が違うのか。
どういう雰囲気なのかを身をもって体験しているとのこと。
自ら身をもって体感した常勝チームの雰囲気や基準。
それを新たなチームに持ち込み、全体の意識を高める。
試合に出ている選手に注目が集まりますが、決勝進出の立役者であり、
決勝の舞台で控えに回りながらもチームを鼓舞し続けた新井選手の姿が目に焼き付きました。
試合後の表彰式でキャプテンの次に優勝カップを掲げたのは新井選手でした。
ヴィッセル神戸のチームメイトも、新井選手の存在の大きさを感じたからこそ、
優勝カップを真ん中で掲げる役割を依頼したのだと思います。
会社、組織においても強いチームには強いチームなりの雰囲気、風土があります。
次組織をより強くするために、
スポーツの常勝チームから学べることはたくさんありそうですね。