今回は、「どうやってゼロから人事部を立ち上げたのか?」の第八弾
『お客さまの声の扱い方』について、書いていきます。
「クレーム」というものは、会社によって、考え方が大きく違っています。
クレームを「マイナス」に捉えている会社は、隠したり、社内に情報共有されることがありません。
一方、クレームを「プラス」に捉えている会社は、お客さまの貴重な声ということで、社内に情報共有されていきます。
私の前の会社は、クレームに対しては、はっきりと「プラス」に捉えている会社でした。
クレームは、普通であれば何も言わなくて去っていくお客さまがわざわざ言っていただいている大切な声なので、最優先事項であり、クレーム情報を大事に扱っていました。
クレームに関しては、私が、人事部を立ち上げる以前より、データベースに入力するルールになっていました。
過去のクレームに関して、誰でも見れるような状態でした。
ただ、誰でも過去のクレームを見ることができるものの、自ら過去のクレーム内容を見ている人は、ほぼ社長だけでした。
クレームに対する意識の差でした。
このような状況から、単純に、クレームをデータベースに入れるだけだったら、もったいないと感じるようになりました。
社長がクレームを大事にしているように、社内全体でクレームに対する意識を上げていく必要があると感じていました。
そこで、データベースだと、主体的に見に行かない限り、その情報にふれることがないので、強制的に見てもらう仕組みを考えました。
それは、データベースに入力されたクレーム情報を毎日、全社員に、社内メールで、情報共有することです。
すごく単純なことです。
単純なことですが、意外にできていない会社は多いことと思います。
それは、クレームそのものをマイナスに捉えている会社は、情報があがってこないので、全社的に共有されることもありません。
隠す体質の会社では、クレームの情報共有などできないのでしょう。
このクレーム情報共有も、結果的に、以前ご紹介させていただいた「お客様アンケートの情報共有」と同様、ロングセラーとなり、私が前の会社を退職する時点でも行っていましたので、かれこれ6年ほど継続されていました。
ロングセラーとなるのは、本質を捉えていて、継続的に行う体制づくりが大事なのです。
クレームというものは、会社によって捉え方が違いますし、経営者によって捉え方が違います。
私の前の会社の社長は、「クレームに対して、発生責任は直接追及しない。ただし、報告・連絡を怠った場合は、処罰する」という明確な基準があります。
なので、クレームという会社としてとても大事な情報を全社員に共有することができたのです。
◆次回へ続く!