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益田 和久

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第170回 仕事の頼み方

2024/06/06

先日、某団体向けにメンタルヘルスのセミナーを企画しました。
ドクターを招聘して、自身のメンタルとの向き合い方やチームコミュニケーションの取り方等、様々な角度から話をしてもらいました。
参加者の年齢層には幅がありましたが、それだけ全ての世代でメンタルに関することが注目されているということなんだと思います。
世間一般でいわれているような定説で、部分的に解釈が違っていたり情報が古いものもありました。
やはり表面的な情報収集だけでは肝心なときに活用できないなぁと感じながら聴講していました。

今回のセミナー開催にあたり、司会や音響、受付等、関係者にお願いしました。
全体進行表は、以前作成したものをリバイスして、下書き段階で気になる点だけを関係者に指摘してもらい、アップデートしました。
本来はこの全体進行表もチャットgptで作成と一瞬思ったのですが、指示するよりも自分の知見や経験でやったほうが早いという判断をしてしまいました。
結果としてそんなに時間もかかっていないので、問題はないのでしょうが、こういうところから仕事の進め方を変えないといけないなぁと、セミナーが終わってから痛感したわけです。

というのも、セミナーの司会者の方から「講師のプロフィール紹介も含めて、簡単な司会原稿があるとありがたいのですが」という依頼がありました。
簡単な原稿といわれても、きちんと作成したくなるのが、私のいいところでもあり悪いところ。
他の仕事も立て込んでいたのでチャットgptに依頼をしてみました。
あっという間にたたき台を作成してくれまして、私のイメージと8割がた合致。
ちょっとだけ手直しをして司会の方に送りました。
司会の方からは「早!」という感嘆と「細かい部分までありがとうございます」という感謝のお返事があり。
「御礼ならチャットgpt」と返事をすると、笑いながらもその仕事ぶりに驚いていました。

このコラムで、チャットgptのことに触れる度に同じようなことを書いていますが、今回チャットGPTに司会原稿を書いてもらうことで、いくつかのメリットを実感しました。
最も顕著なメリットとしては時間の節約でしょうか。
司会原稿を丁寧に作成しようとすると、想定以上の時間と労力がかかります。
特に原稿を一から作成する場合、必ず伝えるべき情報、参加者を想定した言い回し(言葉)の選択、流れの組み立てなど、多くの段階を踏まなければなりません。
しかしチャットGPTを利用すれば、必要な情報を入力するだけで、短時間でかなりクオリティの高い”一次原稿”を手に入れることができます。

あとこちらが想定していないようなアイデアや言い回しも提案してくれたのが、今回の大きな気づきでしょうか。
自分だったら気づかなかったような項目や、斬新なフレーズやユニークな表現も随所に提案してくれていました。
いつもの司会原稿に新たな魅力が加わり、参加者の反応も良かったような気がしています。

今回改めて思ったのは、冒頭でも書きましたが「自分がやったほうが早い、精度が高い」というのは、勝手な思い込みなのかもしれません。
自分自身も過去の知見や経験を元に仕事を進めているわけですが、それはある意味AI(チャットgpt)も同じ。
むしろその情報を速やかに整理統合して、一定のアウトプットを出すのは、AIのほうが圧倒的に早いはずです。
抜本的に仕事の進め方を見直すべきだと痛感した先週のお話しでした。