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益田 和久

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第157回 インフォームド・コンセント

2024/03/07

「インフォームド・コンセント」という言葉をご存じでしょうか。
通常は医療業界で使われています。医師(病院)が、検査投薬・注射・手術等の身体に何らかの影響を及ぼす可能性のある医療行為を行う場合に、患者に対して行為内容や想定されるリスクをきちんと(わかりやすく)説明し、患者自らが納得できるような判断や選択ができるようにする過程のことを指しています。
情報化社会が成熟して一般人もいろんな情報や知見があるとはいえ、医師と対等なレベルになることは不可能です。
情報や知見で圧倒的優位に立っている側は、そうでないほうが安心して事を進められるように懇切丁寧に説明しないといけないわけです。

インフォーム・ドコンセントは、医療分野だけでなくビジネスの世界でも重要な概念だと思います。
私は前職が住宅業界でしたが、このことについては事ある毎に指導されてきました。
住宅も同じく業者側とお客様側の情報や知見の差は大きいです。
一生に一度の買い物といわれる大きな金額のマイホームですから、買う側も慎重になります。
売る側も同じく丁寧なプロセスを踏んでいるとは思いますが、やはり一定の”事後クレーム”は絶えないようですね。
言った言わないは記録をとることで回避できるかもしれませんが、”そういうことだとは思わなかった” ”当然言わなくてもわかってくれていると思っていた”というような話になると、どっちがいいわるいというような話ではなくなってしまいますよね。

インフォームド・コンセントのポイントは以下の4つを通して”顧客が理解し同意すること”ではないでしょうか。
①顧客に対して商品やサービスについて十分な説明を行う
②顧客に複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを説明する。顧客が自分に合った選択をするための十分な情報提供をする。
③商品やサービスのリスクを客観的に伝える。
④契約書や取引条件について説明すること。

今回インフォームド・コンセントをテーマにしたのは、自宅リフォームが終わり光回線の再開工事を依頼したときにトラブルが発生したことによります。
今回諸事情によりリフォーム中も回線の解約はしませんでした。
外から引き込んである回線も外しただけでした(リフォーム業者からもそう聞いていた)そういったこともあり、再開工事のオーダーにその状況を伝えた上で「以前と同じ環境で使えるようにしてください」とオーダーしました。
ところが、回線工事の業者さんと話をするとオーダーの相違が発覚。
詳細は書くとキリがないのですが、私からすると ”そんなこと聞かれなかった” ”オーダーミスの可能性にも言及しなかった”という話です。
リフォームによる停止再開工事は他でもしょっちゅうあるはずですし、私のようにオーダーミスの案件も他にもあったはずです(回線工事業者さんもこの手の話はよくあると言っていました)。
あれこれもめても前に進めていくしかないので仕方ありませんが、とても不親切だなぁと感じました。
どうやら電話口のオペレーターさんも自社の社員ではなく、コールセンターに委託をしているので、専門的な情報や知見が豊富とは限らないようです。

今回のことを通して、自分自身(弊社自体)も気をつけないといけないと思いました。
DXに関するお仕事も増えてきていますが、この点についても情報や知見の差があることで、コミュニケーションミスが発生する可能性はあります。
懇切丁寧に説明をすること、またお客さまからも気兼ねなくお問い合わせができるような雰囲気や環境をつくることが大切だと感じた今日この頃です。