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益田 和久

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第154回 ジェネレーションギャップ

2024/02/15

先日「若者はメッセージのやりとりで句読点をつけないし、そのような文面に好印象を持たない」といった話題をテレビで見ました。
一瞬何のことを言っているかよくわからなかったのですが、どうやら若者は句読点が用いられた文章には「冷たい印象」を受けてしまうそうですね。
LINEなどのメッセージアプリで会話をするときに、年長者の方々は「~ですか。」「わかりました。」等、きちんと句読点を使う方が一定数いらっしゃいます。
文書メッセージなので、ある意味普通のことだと思いますし、特に何かを示唆しているわけではないはずです。
それでも若者はそれらの”句読点付きメッセージ”に「詰められている」「追及されている」「批判されている」という印象を受けているとのこと。
こうなってしまう原因は、年長者と若者の”メッセージアプリの位置づけ”の認識が違うところにあると分析していました。

メッセージアプリは、若者にとっては「会話の一形態」、年長者にとっては「簡易版メール」という感覚があるということです。
若者たちは会話の延長なのでラフな言葉遣いやキーワードでテンポのいい流れがあるところに年長者のルールに則った句読点入りの文章をもらうと、堅苦しく窮屈なものに感じてしまうのかもしれません。
若者がいわんとしていることはわからんでもないのですが、今一つ釈然としないものもありますよね。
そんなことまで取り上げて「若者に気を遣う」「若者の感覚を合わせなきゃ」と、年長者が合わせる必要性は全くないと思います。
確かに私より先輩の方々から、絵文字のたくさん入ったメッセージをいただくと、ちょっとひいてしまうときもありますが不快感はありません。
また若者から句読点なしや略語のみのメッセージをもらって意味がわからず困惑することもありますが、「おじさんわからないから教えて、ごめんね」と聞きます。
若者も気持ちよく教えてくれますし、若者用語の勉強にもなりますから不快感は全くないです。

年長者と若者は、育ってきた時代背景も、生活におけるメッセージアプリの位置づけも違います。
使うときにも若者に合わせないといけないというルールはありませんし、また若者も年長者に気を遣う必要もありません。
若者が句読点をどのように感じようが、「それってあなたの感想ですよね」という話です。
ネット上で話題になっていたことでマスコミが取り上げましたが、こういうときこそ、「おじさんLINE」「おじさん構文」は何も悪くないし、悪気なんか1ミリもないことを堂々と知らしめるべきだと思いました。

「心理的安全性」というキーワードのもと、若者を理解しよう、若者の気持ちに寄り添っていこうという流れがあります。
それはとても大事なことなのですが、若者の感じていることの全てを受け入れ、対応を変えていくということではないはずです。
お互いの違いは何かをよく話し合い、お互いが気持ちよく歩み寄れることが大事だと思います。
DX化が進み、オンラインコミュニケーションが進化していく今こそ、メッセージアプリの在り方を考えなくてはと感じた今日この頃です。