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高松 秀樹

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第149回:取り残される日本?

2023/10/21

米動画配信サービス大手「ネットフリックス」。

第3・四半期の契約者数が全世界で「900万人増加」と発表しましたが、9月末時点での全世界での契約者総数は「2億4700万人」。

市場予想では「約600万人増」が見込まれていたこともあり、大幅な増員結果に。
さらには、米、英、仏にて、月額料金を一部値上げする方針も示したこともあり、同社の株価は「10%超」急伸しているようです。

・米:広告なしのプレミアムプラン=月額3ドル値上げ
・米:ベーシックプラン=月額2ドル値上げ
・英:ベーシックプラン=月額1ポンド値上げ
・仏:ベーシックプラン=月額2ユーロ値上げ

こうした「値上げ方針」を発表した背景としては、多くの国での「アカウント不正共有」への「対策強化」が存在しますが、本来「1契約=同居家族とのアカウント共有可能」としている機能を「悪用」し、知人や他人と相乗りする不正行為。
これを「接続元情報」等でブロックすることが可能になったのです。

その上で、正規の「共有アカウント追加機能」を投入したのですが、こちらは、「本契約者が追加で他の人を割安価格で招待」できる機能であり、家族等である必要はありません。

これまでの不正共有ユーザーをブロックすれば、しぶしぶ正規契約を結ぶか、サービスから離脱する。
そこに合わせて、公式の「共有アカウント追加機能」が導入されると「離脱はされにくい」が、本契約の数は「伸び悩むだろう」と予想されていましたが、それに反して、契約数が伸びたということなのです。

すでに全世界的に動画サブスクが飽和する中、「接触ユーザー数を増やす」ことにより、「視聴体験が共有」され、「契約する動機」が増えたのかもしれません。

ところで。

スペインは、バルセロナにある世界遺産、ガウディ建築「サグラダ・ファミリア」の入場料をご存知でしょうか?

最も安い大聖堂のみへの入場チケットが「26ユーロ(4082円)」、人気の「塔」への入場も含めたチケットは「36ユーロ(5652円)」なのですが、2018年のガイドブックによると、最も安いチケットは「15ユーロ」。およそ、10ユーロも「値上げ」しているのです。

一方。

日本が誇る世界遺産「金閣寺(鹿苑寺)」は今年4月に「100円」の値上げをし、入場料は「500円」に。
コロナ禍で拝観者が減少するなかでの、維持管理に向けた「苦渋の選択」だったとのことです。
世界基準が大きく変わってきている中で、日本の選択も熟考が必要なのでしょうね。