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岩田 徹

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第149回 練習の考え方

2023/10/20

長きにわたってサッカー日本代表のD F、そして主将として活躍し続けた吉田麻也選手。
今まで、オランダ、イングランド、イタリア、ドイツでプレーし、
現在はアメリカリーグでプレーしています。
その吉田選手が日本と欧米で練習に対する考え方の違いを話されていました。
特に力を込めてお話しされていたのが、時間に対する考え方。
日本の練習はとにかく長い、とのこと。
そこにはそもそも練習に対する考え方の違いがあり、
日本では全体練習後の居残り練習、自主練が普通にあるのに対し、
欧米では決められた時間の中で力を出し切ることが求められるとのこと。

日本では足りないところがたくさんあるのに、なぜ自主練で補わないのか、
と指摘されるのに対し、
欧米では、監督が用意した練習でなぜ全力を出さないのか。
監督が用意した練習に不満なのか。居残り練習できる体力があるなら練習で出し切れ。
と怒られるそうです。
この話を聞いて、欧米の監督の自信の表れとともに、練習内容を考えるのに、
どれだけ考え抜いているのかが想像できました。

正直なところ、私は居残り練習、自主練を美徳とする派です。
練習でも力を出しているつもりでしたが、
練習で出た課題をその時に解消したい、と積極的に長時間練習をしていました。
仕事への向き合い方もそうです。
勤務時間以外の時間でいかに知識やスキルを上げられるか。
周囲よりも成果を出したい一心で、残業も厭わず、長時間労働が常態化していました。
あの時があったので、今の自分があると思いますし、
必ずしも量をこなすことがダメだとは私は思いません。
ただ、何も考えずに量だけをこなしても、力はつかないと思います。
であれば、とっとと仕事を切り上げて早く家に帰った方が健全です。

吉田選手は「限られた時間の中で強度も質も上げていくこと」を意識しているそうです。
私も自ら定めた時間の中で、品質とスピードを高めたい、と今は考えています。
いずれにしても、何も考えずただ単に時間の長さでカバーしようとしても実力はつきません。
また短時間で終えるにしても、そこに自らの考えや意図、意志がなければ、
実力はつかないのでしょう。
意図と意志を持って集中して取り組むこと。
これが大事なのだと吉田選手のインタビューを聞いて改めて感じました。