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岩田 徹

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第147回 受け渡し

2023/10/06

先日開催されたバレーボールのワールドカップ。
上位2チームにパリ五輪の出場権が付与されるオリンピック予選を兼ねる大会でもあり、どの試合も白熱した試合となりました。
日本チームは開幕から5連勝したものの、世界ランキングで日本より上回るトルコ、ブラジルに連敗し、惜しくも3位。
今大会での五輪出場は果たせませんでした。
この時期に五輪出場権を得るメリットは、準備期間が長く取れ、新しい武器となる人材の発掘、コンビネーションの深化など、挙げ出したらキリがありません。
残念ながら日本は来年開催される最終予選に照準を絞り、そこでの出場権を目指すことになりました。

バレーボールは体育の授業でしかやったことはありませんが、相手の強烈なアタックをレシーブすると腕が痛かった思いが強いです。
また相手のサーブを受けるのも妙な緊張感がありました。
得点するにはサーブレシーブをトスを上げるセッターに綺麗に渡し、セッターは様々な選択肢の中から最も得点の可能性の高いアタッカーにトスを上げる。
アタッカーは相手のブロックやレシーバーの位置を確認しつつ、思い切って相手コートに打ち込む。
この一連の流れがいかにスムーズにいくか、に勝負がかかっています。

強いチームを見ていると、この流れが非常にスムーズであり、次にプレーする人がやりやすいように、そして次のプレーの選択肢を減らさないように、パスを出しています。
少しでもボールが届かなかったり、勢いがつきすぎてプレーしづらいパス回しだと、次のプレーの選択肢が減り、結果相手に攻撃が読まれ、得点を奪えず、逆に相手にチャンスが渡ります。

この技術のやり取りを延々とやり続けているのがバレーボール。
日本チームを見ていて、非常に配慮されているといいますか、次のプレーヤーの負担をいかに減らすかに心血を注いでいるように思います。

バレーボールもそうですし、野球もサッカーもそう。
自分の負担を増やして、次にプレーする選手の労力を極力削減すること。
この連続が良い連携を生み出し、勝利という成果へとつながるのではないでしょうか。

受け取り側の負担を最小限にすること。
これは仕事の受け渡しでも言えます。
多少自分の負担が増えたとしても、相手が心地よく仕事に取り掛かれるような仕事の受け渡しを心がけたいと思います。