前回、リモートワークマネジメントについて書きましたが、一部反響がありましたので、追加情報をお伝えしたいと思います。 前回は「クローズになりがちなチャットによるコミュニケーションをいかにしてオープンにするか」という内容でした。
運用ルール次第で対面に近い環境はつくれることを再認識しました。
今回は「伝え方」についてです。
文書でのやりとりは、メールやチャットのいずれも難しい場合がありますよね。
「伝えたいことがうまく伝えられない」
「相手に対して否定的な内容を伝えるときに躊躇してしまう」
そんなことはよくありますね。
またその逆で受け手になったときには、
「何が言いたいのかさっぱりわからない」
「そんな言い方(書き方)をしなくてもいいのに」
と感じたこともあるのではないでしょうか。
前回ご紹介したサーバーワークスさんの取り組み事例を紹介したいと思います。
言いたいことが伝わらなかったり、込み入った話になる場合は「フェイス・トゥ・フェイス」でやるようにという方針があります。
具体的には、「2回で伝わらなければフェイス・トゥ・フェイスで」のようです。
文字だけですとどうしても伝わる内容が制限されてしまいますよね。
ちなみに「フェイス・トゥ・フェイス」はビデオ会議でも対面でもどちらでも可。
部下に対してフィードバックをするときも同様です。
そもそも全社方針で「会議では必ず顔出しをする」となっているようでして、ある意味「フェイス・トゥ・フェイス」を大事にしていることが伺えます。
もう一つは、否定的な内容の伝え方です。
これはシンプルに「否定しない」そうです(笑)チャット上で否定すると必要以上にキツい感じを受けますよね。
具体的には「そんなことは不可能です」 ではなく、「〇〇という問題があるので、△△の方法を取ったほうがベターでないか」 という提案型を推奨しています。
確かに受け手の印象は全く違いますよね。
当然否定もしないので、基本は叱責をしないとのことです。
文字でネガティブな感情を伝えないことをコミュニケーションの大原則にしています。
文字で感情を残してしまうと、その感情の発露ばかりに目がいってしまい「次は改善しよう」というプラスの方向に向かなくなるからとのこと。
もちろん叱責をしないというのは、一切怒られないということではなく(笑)それこそ「フェイス・トゥ・フェイス」で行っているようです。
前回から紹介した事例も、最初からそうなっていたわけではなく、同社が試行錯誤しながら創り上げたルールです。
ひょっとしたら他に会社には合わないかもしれません。
それは自社でいろいろ試してみて創り上げればいいと思います。
いずれにしても、組織コミュニケーションですから一定のルール化は必要です。
ルール遵守に向けた啓蒙活動やリテラシー教育は不可欠です。
そこに対して惜しみなく投資をしていくことで、合理的な働き方が実現できる。
サーバーワークスさんの事例を通じて、そのことを改めて感じました。