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岩田 徹

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第139回 接戦

2023/08/11

暑い夏。
炎天下での甲子園大会が始まりました。
熱中症アラートで外出を控えるようにというメッセージが表示される中、
選手たちは元気いっぱいに夢の舞台で駆け回っています。
足を攣る選手も多く、体調面が心配ですが、悔いのない戦いを繰り広げてもらいたいです。

今年の高校野球の地方大会は、接戦が多かった印象を個人的に持っています。
1点差などの僅差、最終盤に逆転しての勝利、9回サヨナラ勝ちなど。
接戦が多くなった理由は定かではありませんが、
延長戦になるとタイブレークという方式が導入されたことも多少は影響がありそうです。
9回を終えて延長になった際、ノーアウト1、2塁から試合が始まります。
プレーの選択肢が広がり、タイブレークの時の攻守の駆け引きも見ものです。
両チームに得点のチャンスがありますので、どちらに勝利が転がるかわかりません。
優勝候補と言われる有力校ほど、タイブレークに持ち込まれるのは避けたく、
終盤にかけて接戦になると焦りが出てくるのかもしれません。
勝たねば。
突き放さねば。
と、気持ちばかりが焦り、何気ないプレーにもミスが生じたり、打ち損じたり。
つくづく野球は技術とともに精神面の鍛錬も必要だと実感しました。
ちなみに49地方大会の決勝戦のうち、半分以上の25地域が1点差ゲームで決着。
3点差以内だと37地域。
いかに接戦が多かったかがわかります。
とともに、惜しくも敗れ去った学校も紙一重の差だったことがわかります。

甲子園という夢の舞台を目前にして、あと一歩と最後まで粘る高校球児。
掴みそうな夢を相手に渡すまいと必死に逃げ切ろうとする高校球児。
高校生活最後の大会。
一投一打に全身全霊を注ぎ、終盤に思わぬ力を発揮する高校球児。
目の前のことに執着する思いがあるからこそ、
見ている方もヒリヒリするような緊張を感じ、
試合終了時には感動を覚えるような戦いができるのだと思います。

仕事において全身全霊を注げているでしょうか。
目の前の相手に必ず勝つという執念を持っていますか?
魂を込めた仕事ができていますか?
高校野球を見て、今一度自分の仕事への向き合い方を感じずにはいられません。