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益田 和久

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第123回 オンラインとリアルの組み合わせ

2023/07/13

ここ最近は半日研修のオーダーが増えてきました。
短時間のほうが参加しやすいですし、講義する側からみても半日のほうが参加者も集中力や投入感が高い印象があります(苦笑)
多忙なスケジュールを調整して参加していただく集合研修ですから、可能な限り「研修でしかできないこと」を優先するようにしています。
必然的にグループ実習を中心に研修を設計することになるのですが、そうすると「インプット」いわゆる講義の時間が足りなくなってしまいます。
通信教育のテキストのように、事細かく解説してあればテキストを事前配布して「読んできてくださいね」とお願いしておけばいいと思います。
ただ弊社作成の研修テキストは、講義を受講しながら書き込んでもらう前提で作成していますので、テキストだけ送られてきても事前学習はちょっと難しいのです。
そういった背景もあり、お客さまとご相談の上で「講義動画」を配信することが増えてきました。

講義動画の事前配信については、研修によっては以前から対応しています。
旅行会社の営業担当者向けのプレゼン研修は2日版なのですが、業務都合等で参加出来ない方は1日版に参加していただくようになっています。
事前に講義動画を視聴してプレゼン課題を作成し、研修では発表→フィードバック→修正→発表を繰り返し行うというものです。
多少補足的な講義もありますし、フィードバックに織り交ぜてポイントはレクチャーしますが、2日版に比べるとどうしても「インプット」の時間は短くなります。
講義時間が長ければいいというものではないですが、インプットがあってのアウトプットです。
また対面講義の場合は、参加者の反応を見ながらインタラクティブに進めていきますので、講義項目によって時間の長短や解説の濃淡も付けられます。
参加者からその場で質問を受けられますので、理解度や納得度は高いと思います。

先日、そのプレゼン研修の2日版研修に参加した方が終了時の感想発表で「今回講義動画を事前視聴した上で受講したけど、事前動画視聴時よりも理解の深まりや気づきの広がりを感じた」と言われていました。
2日版では、おさらいの講義も丁寧にやりますので、ある意味当然の感想なのかもしれませんが、それは講義だけでなく実習にもいえるような気がします。
プレゼン発表も1回目よりは2回目、2回目よりは3回目のほうが確実にうまくなります。
今はオンラインでのプレゼンの機会も増えていますから、実習はオンラインのほうがいいのかもしれません。

今回改めて感じたのは、学習方法の最適化です。
事前の講義動画視聴は(内容にもよりますが)動機付け、受講目的の理解、全体像の把握という点では間違いなく効果的です。
要点を絞り込んでいますから、研修受講後の復習で視聴することで、コンテンツの概念化をすることもできます。
また事前の講義動画視聴によって対面研修時の実習の精度は確実に上がります。
一方で、研修終了後のフォローアップや振り返りは、オンラインでも十分に対応できるのではないかと思います。
学習方法の選択肢(手法)は増えてきた上に、対面の良さが再認識されてきた今だからこそ、研修をはじめとする教育設計について、再度ゼロベースで考えてみる必要性を感じた今日この頃です。