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益田 和久

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第107回 YouTubeが教育現場にもたらす効用

2023/03/23

前回のコラムで、動画(オンデマンド)形式のコンテンツ提供の需要が増えてきていることを書きました。
動画コンテンツは(アクセスさえできれば)「いつでも、どこでも、何度でも」視聴できるのがメリットですが、教育という点ではとても合理的だと思います。
コロナ禍による外出制限の影響で、Netflixをはじめとする動画コンテンツを視聴する人や機会が増えました。
それに比例する形で、学びの場においてもeラーニングやビデオ教材などの「視聴学習コンテンツ」が増えたことも事実です。
教材やマニュアルを“読んで学ぶ”より“観て学ぶ”ことへ徐々にシフトしてきていることを感じます。

これだけ動画コンテンツの需要が高まったのは、YouTubeの普及が大きいのはないかと思います。
YouTubeの凄いところは、何と言っても、想像以上にコンテンツの種類が多いことではないでしょうか。
視聴したいコンテンツは、検索するとたいていでてきます。
コーチングやプレゼンテーションといったヒューマンスキルは勿論のこと、ExcelやPowerPointなどのPCスキル、またプログラミングなどの専門知識もあります。
全て無料コンテンツ。
勿論、私的に作成しているものであり、内容の品質や正確性は保証されませんが、それを見極めて活用するのは視聴側次第ではないでしょうか。

私の知人がコロナ禍でたこ焼き屋を開店しました。
どうやってたこ焼きの焼き方を学んだかを聞いたらYouTubeだそうです。
動画を繰り返し何度も観たそうですし、関連する動画を複数観て、自分なりにしっくりくるやり方をマスターしたようです。
別の知人は、仕事でどうしてもPowerPointでのプレゼンテーションが必要になり、時間もお金もないのでひたすらYouTubeを観ながら何度も資料を作成し、Zoomの自撮りを活用して自分の話し方のチェックをしたそうです。
先日そのプレゼンを見せてもらいましたが、驚くほど上手でで、YouTube教材の凄さを痛感しました。
観る人(活用する人)の力量にもよりますが、私のように教育コンテンツの提供を生業にしている立場からすると、YouTubeは脅威的な存在とも考えられます。

一方で、YouTubeのおかげで、動画制作の仕事が増えているという側面もあります。
お客さまからは「YouTubeでこんな動画があったんだけど、うちの会社のオリジナル版を作成してもらえないだろうか」というご要請を時々いただきます。
参考になる動画をカスタマイズしたくなるのは当然の流れですが、こちら側から「こんな面白い動画がYouTubeにありました。御社オリジナル版を作成してみませんか」と提案するのは、ちょっといただけない話ですので(苦笑)、そういう面からすると、YouTubeのコンテンツが強ければ強いほど、それはこちらにとっても有益なものともいえるわけです。

競合でもあり協力者でもあるYouTube。
これから先、どのように関わっていくのか。学びのトレンドをリサーチしながら、自社のオリジナルコンテンツ作成や提案サービスの配信に上手に活用していきたいと思う今日この頃です。