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益田 和久

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第106回 全体像を示す

2023/03/16

コロナ禍になってから、動画(オンデマンド)形式による講演や研修の納品がコンスタントにあります。
コロナ禍収束を想定した来年度は、研修をオンラインから対面に切り替えるお客さまが増えていますが、動画だけは一定のニーズがあります。
動画教育のいいところは、何と言っても、「いつでも、どこでも、何度でも」視聴できることです。
動画視聴後のアンケートでは、業務や私事の関係から研修参加が難しい方々から、「動画だとありがたい」「落ち着いてじっくり学習できる」といった肯定的なご意見をいただきます。

一方で、いろんな改善要望もいただきます。
その多くが「時間が長い」といったものです。
これはお客さまからのご要望で作成しているので、そう言われてもなぁというのが私の率直な感想なのですが(苦笑)
ただこういったご意見は真摯に受け止めて行く必要があります。
時間を有効活用できるのが動画コンテンツのメリットですから、時間に関するストレスを感じさせては意味がありません。

興味深いのは、「時間が長い」というご意見の次に多いのが「自分のペースで少しずつ視聴できたのがよかった」ということです。
実際、映像は90分〜120分くらいなのですが。
一気に視聴しようと思うと長く感じますし、少しずつであれば隙間時間で視聴できますからストレスを感じることはないと思います。

そこで改めて気づいたのは、「その人に合った効果的な視聴方法」を示したほうがいいということです。
一応、動画の冒頭でどんな内容が収録されているのか、また単元毎の所要時間も大まかには示しているのですが、どのあたりで区切って視聴するのがいいのかは提示していません。
またその人の動画テーマに対する興味の度合や前提知識などによって、視聴方法は異なってくるはずです。
ひょっとしたら、せっかちやおっとりといった性格的なものでも違うのかもしれません。
考え出すとキリがないですし、全てに対応できるわけではありませんが、リリースの仕方にはまだ改善の余地は十分にあると思います。

研修のときには、冒頭でねらいやゴール、プログラムの流れといった全体像を示します。
単元毎に学びや気づきを整理して、終了後には一定のアウトプットとしてまとめをします。
参加者はこのことで学習効果を高めるわけですが、これは相互通行であるから成立している流れです。
動画は一方通行なので、参加者のニーズや特性、前提条件などを想定し、学習効果を高めるための視聴(学習)方法を、丁寧に示す必要があるわけです。

まだまだこれからも需要が高まると想定される動画教材。
コンテンツも大事ですが、視聴(学習)方法一つで、その効果性は大きく変わります。
そちら側にも力をいれたほうがいいと感じた今日この頃です。