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高松 秀樹

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第111回:タイミングの見極め

2023/01/28

2025年に大阪・関西万博が開催される、大阪の顔。
「大阪の迎賓館」とも呼ばれ、関西圏で親しまれている「リーガロイヤルホテル大阪」がカナダの大手生保会社の傘下にある米国の不動産ファンドに売却されることになりました。

その開業は、大阪政財界の呼び声を受けたものであり、純粋な日系ホテルとして前身の「新大阪ホテル」時代から約90年の歴史を刻んできました。

「G20サミット」など、大阪で開かれた国際会議で要人が泊まるなど、大阪経済の「中心的な場所」となってきた老舗ホテルの売却ニュースには、「寂しい、、」「残念、、」と、関西経済界からも多くの「失望の声」があがっています。

リーガロイヤルホテル大阪は、大阪市内最大級となる1039の客室を擁していますが、老朽化が進み「高級ホテルのイメージとは、かけ離れている」などといった声も出ていた中、コロナ禍で業績悪化が深刻になり、資金余力が乏しく、ファンドと手を組むことでしか、老朽化が進んでいたホテルの改装には、取り組めない状況だったようです。

もともと結婚式や宴会での稼働率は高く、開放感のある吹き抜けの広間で会合を行うことは、関西企業のステイタスでもあり、「関西電力・住友グループ」などが何度も再開発・建替を提案していたものの、ロイヤルホテル側が難色を示しているうちに立ち消えになってしまったとのこと。
企業戦略における「タイミングの見極め」の重要性を痛感させられた話題でしたが、高級ホテルの建設が相次ぎ、競争激化の大阪に、リニューアルされた姿で挑むプロセスを見守りたいですね。