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益田 和久

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第99回 情報収集

2023/01/26

ここ最近「情報の収集、活用、分析」をテーマにした研修のオーダーが増えてきました。
コロナ禍以降、「新しい生活様式」というものが少しずつ定着してきています。
これと並行して「新しい働き方」についても、各職場で模索検討が繰り返されていますが、その際にテーマとしてよく耳にするのが「DX化」「SDGs」「ジェンダー」等のキーワード。
これまでやったことがない領域が多いこともあり、会社も個人も情報収集に余念がないのが現状かと思います。

情報にはプッシュ型とプル型があります。
(正確な解釈はともかく)IT社会の現状における意味合いとして、プッシュ型というのは「何もしなくても受動的な姿勢だけで、自分に寄ってくる情報」のこと、プル型とは「自分が能動的に集めていく、自分が意識して取りに行かないと入手できない情報」という位置づけにあると思います。
スマホやパソコンを立ち上げるだけで、膨大な量の「プッシュ情報」を目にしますが、簡単に入手できることもあり問題があることも事実です。
あまりにも多いので、それが正しいかどうかの判断がつきにくくなっている方が多くなっているのではないでしょうか。
いわゆるフェイクニュースやデマのようなものも、何度も目にしていると本当のように思えてしまうから厄介なものです。
また情報が次から次へと配信されることで、本当に大事な良質な情報を見失ってしまうこともあります。
そして最もよく話としてでてくるのが、情報収集することが主な目的になってしまい、結果として生産性の低い情報収集活動になっているという悩みです。
こういったことが背景となって、合理的な情報収集、活用にはどんなことが必要なのかというのを、改めて確認する研修の場が必要となってきているのだと思います。

そもそも「情報」とは、物事の判断をしたり、新しい企画を立てたり、周囲に行動を起こさせるときに必要な“知識”です。
したがって情報収集の目的は「集めた情報を活用する」ことになります。
限られた時間や条件の中で情報収集を進めていくためには、
①情報収集の目的・・・なぜ情報を集めるのか、
②情報の用途、加工・・・集めてどうするのか、
③集めるべき情報・・・使える情報、使いたい情報は何か、
ということを念頭に置いて進めていく必要があります。
こういった「目的意識」を明確に持つことによって、時間のムダも少なくなっていくはずです。

目的意識を持った情報収集と同様のことで「カラーパス効果」というものがあります。
カラーパス効果とは、ある特定のことを意識する(興味をもつ)ことによって、日常の中でその特定のことに関する情報が自然と目に留まるようになる現象のことをいいます。
仕事における問題や課題を常日頃から意識しておくことで、そのことに関連する情報がよく目に入るようになり、その対応がスムーズになることがあります。
私たちは、五感から得られる情報を、自分に必要かどうかを無意識のうちに判断していることがあります。
特定の事柄を自分にとって必要性の高い情報として意識しておくことで、普段であれば見逃したり、聞き逃したりしている情報もキャッチすることが可能になってくるのだと思います。

テレビもインターネットも、こちらの意思や状況に関係なく、情報が配信され続けます。
その情報をどう加工するかは、私たち次第です。
何が知りたいのか、何を知るべきなのか、そこからわかること、行動すること、心構えをしておくことは何か。
情報に流されるのではなく、情報の流れをうまく乗りこなすことが大事であると改めて感じた2023年の年頭です。