HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

長谷川 満

ホーム > 長谷川 満 > 記事一覧 > 第228回 組織の実力は、離職理由の本質をみよ

第228回 組織の実力は、離職理由の本質をみよ

2025/04/23

こんにちは、社外人事部長の長谷川満です。


今回は「離職理由の本質」
についてお話しします。


組織を長く見ていると、
「人が辞める」という現象が持つ意味が、
実は非常に深いことに気づきます。


特に注意すべきは、
“どんな人が辞めているのか”という点です。


私がこれまで多くの現場で見てきた中で、
ある明確な傾向があります。


それは「できる人材」が辞めていく組織は、
じわじわと疲弊していくということです。


逆に、「できない人材」が辞めていくと、
組織はむしろ活性化する。


ここでいう「できる人材」とは、
単にスキルが高いというだけではありません。


彼らに共通するのは、
自責思考であること。


環境や上司、制度のせいにする前に、
「自分に何ができるか」を考え、
行動できる人たちです。


そして何より、
権利を主張する前に“貢献”を意識する人材です。


一方、「できない人材」とは、
能力の問題だけではなく、
他責思考が強く、
常に自分以外の何かのせいにする人たち。


そして、実際の貢献よりも先に、
「自分はもっと評価されるべき」
「待遇が悪い」といった
権利主張が先に来る人たちです。


できる人が辞めるとき、
表面的な理由として
「やりたいことがある」
「ステップアップしたい」と
言われることがあります。


ただ、その奥にある本当の理由は、
「この組織では貢献が報われない」
「周囲と価値観が合わない」
「頑張ることが損になる空気」
…そういった、
“組織の空気”や“文化”に対する
静かな絶望だったりします。


一方で、
できない人が辞めるときは、
「評価が低い」
「もっと楽な職場がいい」
といった露骨な不満が
動機になっていることが多いもの。


しかし、その退職によって、
周囲はホッとしていたりします。


組織にとっての
“デトックス”になることさえあるのです。


だからこそ、私はこう伝えたい。


組織の実力は、
離職理由の「本質」を
見極められるかどうかにかかっている。


できる人材の沈黙を見逃していないか。


「仕方ない」「個人の都合だ」と
片付けていないか。


退職者の声に、
耳を傾けるのではなく、
眼を凝らす。


その背後にある“組織への失望”を、
見落とさないことが重要です。


辞めた人材のレベルで
一喜一憂するのではなく、
その「離職の背景にある組織の問題」を捉え、
改善していく。


それが、
組織として“本当に強くなる”ための
第一歩なのです。



【社外人事部長メディア】
●Apple Podcast
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1770960655

●LINE公式アカウント[登録特典あり]
https://lin.ee/IYeGyQU

●社外人事部長紹介動画
https://youtu.be/AsjzVhsZRwE

●社外人事部長オリジナルソング
https://youtu.be/dASo24-9x2o?si=Ikwxp_24oyaJLzwG