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益田 和久

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第168回 かもしれない

2024/05/23

先日、故郷鹿児島の郷土行事である「渋谷鹿児島おはら祭り」に、”踊り手”として参加してきました。
出身高校の踊り連で老若男女総勢100名の大所帯です。
踊りのコンテストがあり課題曲は3曲。
約60連で競い合いました。
この日のために2月から10回程度地道に練習してきました。
結構ガチです(笑)
今回はその前日に感じたことの話。

事前の事務局連絡で、集合時間や持ち物確認以外に「貴重品は踊りのときも携行できるようなるべく少なくしてください」という連絡がありました。
着替え会場で大きな荷物は預けてもいいけど、財布とスマホの管理はご自分でというよくあるパターン。
終了後の懇親会費も事前に払ったし、お金を使うとしたら昼食や飲み物くらいなので、仲間内では「財布置いてこようかな」というメンバーもちらほら。
そんな「キャッシュレス」の話になったときにあるメンバーが「先日のPayPayの通信障害とかもあるから現金は持っていたほうがいいんじゃないかなぁ」とコメント。
その声を聞いて「とりあえず財布はサイズを小さくして持ってこようかな」という意見に流れて話が終わりました。
帰り道にふと「PayPayが通信障害なら他の電子マネーで払えばいいんじゃないのか、みんな電子マネーは一択なのかなぁ」と考えつつ、まあ大した話でもないので流そうと思いましたが、ここでいろいろ考えてしまうのが職業病(笑)立ち止まって考えてみました。

このコラムでも何度も書きましたが、DX時代において『代替手段』を用意しておくことは、ビジネスや私生活においても極めて重要だと思います。
現代社会ではITの進化により多くの業務やコミュニケーションがデジタル化されています。
私たちはそのデジタル化されたしくみやシステムの”安定作動”を前提にしていますが、何かしらのトラブルが発生した際のことはあまり考えていないのではないでしょうか。
電子マネーを利用するからには、複数の電子マネーアプリという「代替手段」で、支払いの柔軟性と安全性を確保しておくことは必須だと思います。

これはインターネット回線の予備の用意にも言えることだと思います。
ビジネスではオンライン会議やクラウドサービスを利用したデータの共有が日常です。
しかし、ネットワーク障害や通信トラブルが発生した場合、業務の停滞や情報漏洩のリスクが高まります。
主回線に加えてバックアップとなる予備回線を用意しておくことは当然でしょう。
弊社も、オンライン研修やリモートの打ち合わせでは、メインの光回線に加えてWi-Fiルーターの準備は社内ルールで決めています。
実際、一昨年にオンライン研修でのシャットダウン経験がありましたが、Wi-Fiルーターのおかげで短時間で講義を再開することができました。

あとはデジタルデータのバックアップも要注意ですね。
今やGoogledriveやOneDriveなどのクラウドストレージにバックアップしておくのは常識ですが、クラウドストレージだって何があるかわかりません。
外付けHDDなどでダブルバックアップしておくことも、リスクヘッジという観点からすると必要なのかもしれません。
いずれにしてもDX時代においては、単一の手段に依存せず、常に代替手段を用意しておくことが極めて重要です。
これにより、予期せぬトラブルや災害に備えるだけでなく、ビジネスの継続性や私生活の安定性を確保できます。
世の中が便利になると、無意識のうちにその便利さに依存をしてしまい、リスクや障害を想定する”感度”が低下するのは、ある意味必然なのかもしれません。
ですから私たちは常日頃から、「〜かもしれない」という視点で仕事や生活を見直し、代替手段やリスクヘッジをしておく努力を欠かしてはいけないなと再認識した今日この頃です。