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岩田 徹

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第13回 テクニックとスキル

2021/03/12

ラグビーW杯2015で世界の強豪南アフリカを倒す奇跡を起こした日本代表。
また記憶に新しい日本でのラグビーW杯で準優勝したイングランド代表。

その両チームを率いたエディジョーンズ監督。
名将と呼ばれ、過去にもW杯で南アフリカ代表を率い優勝、
オーストラリア代表を率い準優勝と、ラグビーの監督として非常に有名な方です。

そのエディージョーンズさんが日本代表を指揮されている時に、
日本のスポーツ界、特に若年層への指導についてこんなお話をされていました。

・日本ではテクニック重視で教えてしまっている。
・テクニックではなくスキルを教えるべきだ。
・スキルとは、いつ、どこに、どのようなパスを出すのか、状況判断が出来たパスのこと。
・テクニックのあるパスは狙ったコースに正確に出せるパスのこと。
・スキルとテクニックはまるで違う。

テクニックと言われる基礎技術は確かに重要です。
ですが、実際の試合の場面になると練習でできていたことができない、
という話はよく聞きます。

プレッシャーのかからない、相手のいない状況での練習と、
本番の試合で瞬時の判断と動きで出すパスでは状況がまるで違うのは一目瞭然です。

ラグビーやサッカーの選手のインタビューで「頭が疲れる。」とよく聞きます。
体力勝負と思われがちなスポーツですが、状況判断一つで体格差を上回れることも事実です。

最近ではyoutubeで元プロ選手が試合を分析、解析してくれています。
なぜこの場面でこのプレーが生まれたのか、非常にわかりやすい説明があります。
プロ選手の一瞬の判断力とプレー精度に感心してしまう今日この頃です。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

正確に作業を実行すること。
マニュアルをしっかりと読み込み、精度高く行動を再現すること。
トークスクリプトを丸暗記し対応すること。

上記はいずれもテクニックに当たる部分です。
仕事では想定外の事象が起こったり、マニュアルやトークスクリプトでは対応しきれない状況に陥ることが大半です。

その時にどういう基準で判断し、どう行動に移すのか。
この判断基準を鍛えていくこと、判断のレベルを高めること、
これが仕事における成長につながります。

テクニック主導の教育になっていないか、今一度見直してみましょう。