第11回 この人に聞く！～人・組織が羽ばたく時～
2021/02/21
株式会社オーダースーツSADA 佐田展隆 社長（其の3）
先週に引き続き、株式会社オーダースーツSADA 代表取締役社長の佐田展隆様にご協力頂きました。
今週は会社、組織が飛躍的に伸びた時をお届けします。
金山：先週は会社のターニングポイントとなった新宿店の出店のお話しを伺いましたが、その後会社、組織がどのように成長していったのかお話を伺えますでしょうか。
経営幹部が次々と退職
先週もお話しさせて頂きましたが、卸専門で長年事業を行ってきましたが、直販事業を会社の軸にすることで事業の拡大をしていきました。
私が2011年5月に会社に戻ってすぐの方向転換でしたので、正直社内の反対は多くありました。
当時の経営幹部は全員が反対しましたし、次々に辞表を持って私のところへやってきました。
経理部長、営業本部長、宮城工場長、北京工場長、受注物流センター長と次々に会社を去っていきました。
幹部の次々の退職に社内からは不安の声も上がりましたが、若手に積極的にポジションを与え、私自身も営業本部長を兼任しながら会社の方針を全うしていきました。
結果当時若手だったメンバーもどんどん成長していき、それが会社の成長につながっていきました。
金山：なるほど。沢山の痛みを伴いながらの方向転換だったんですね。
社長自身が先頭にたって会社を牽引していった、そんな印象を持ちましたが、組織が飛躍的に成長する為に大切な要素はどんなものがあるのでしょうか。
一つは、会社のポリシーや方針への合意だと思います。
多様性という言葉はありますが、根本的に会社が大事にしている考え方や方針に従って仕事をする必要があると思います。
もう一つは、最後意思決定するのは経営者なので、「衆議独裁」が大切だと思います。
「衆議独裁」を大切に経営に活かす
決断をするのはトップの仕事ですが、決断をするまでには徹底的に現場の話しを聞くようにしています。
私は特に各分野の専門家ではないので、徹底して話を聞いたうえでロジカルに考えて、想いを込めてジャッジをするようにしています。
しっかり衆議して意見を吸い上げた上で決断をしますので、現場は話を聞いてもらえたという実感はあると思います。
金山：衆議独裁ですね。経営の意思決定プロセスとしてとても効果的だと思います。
最後に一つ伺いたいのですが、昨年からコロナの影響でアパレル業界は大変だと思いますが、今後の展望を聞かせて頂けますでしょうか。
4月5月の緊急事態宣言最中は、12店舗が商業施設内の店舗なので売り上げゼロでしたし、DX化でスーツを着なくなるといった話もあったのでどうなるかと思いましたが、緊急事態宣言後はお客様も戻ってきてくださいましたので、今までのようにどんどん出店するといったチャレンジングなことは出来ませんが、様子を見ながら今後に備えています。
マーケットはシュリンクするが、会社にとってはチャンス
百貨店の紳士服売り場から店舗が撤退したり、大手紳士服チェーンが店舗数を減らしているのを見ると、弊社にとってはチャンスかもしれません。
今までそういった店舗で買っていたお客様が弊社直販店で購入して頂ける機会が増えると思いますし、今後ワクチンの普及でお客様が戻ってくる可能性だってあると思います。
ただ今まで作業着としてスーツを着ていた人達は、今後着なくなると思います。
そして、本来の理由でスーツを着る人たちが、DX化で着なくなるということもないと思います。
スーツは英語と一緒で、ビジネスの場においてはヨーロッパスタンダードでの最上級のおもてなしアイテムなんです。
首脳会談でも必ずスーツを着きますし、スーツは「あなたを大切に思っています」というメッセージを相手に伝えるためのドレスコードなんです。
特に日本はおもてなしの文化がありますので、ビジネスシーンではスーツを着ておもてなしをすることが大事にされていくと思います。
金山：マーケットがシュリンクする今だからこそチャンスがあるんですね。
ありがとうございます。とても勉強になりました。
これから益々のご発展をお祈り申し上げます。
今週は会社、組織が飛躍的に伸びた時をお届けしました。
次週は最後の結びとして、私が今回の対談から得た学びと気づき、そして人、組織の育成に活かすためのポイントをお届けします。
会社情報
会社名：株式会社オーダースーツSADA
本社：〒101-0032 東京都千代田区岩本町2-12-5 5F
事業内容：紳士・婦人オーダースーツ製造・卸・販売
オーダー制服・礼服製造・卸・販売
