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塩崎 俊樹

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【第51回講座】飲食店の求人倍率3倍以上!応募があった場合の準備~視点編~

2021/11/29

採用市場の現実を踏まえて

大手求人広告代理店の幹部の知人より聴いた数字に飲食店における採用の現実の厳しさを改めて感じました。
今年の9月半ばごろまでは1倍を切っていた求人倍率が、9月半ば以降の緊急事態宣言解除が近づくにつれ一気に高まりました。
10月、11月の最新の求人倍率は、全業種平均で1.7倍に、飲食店では3倍以上になっているとのことでした!

前回はこの求人倍率を踏まえて、飲食業界における採用の難しさと採用を実現していく為に覚悟しなければならないことを中心にお話してきました。

今回は応募が来た場合にも問題になっている対応の仕方のポイントを中心にお話していきます。
苦労して採用を続けながらようやく応募がきた!となった時点では、まだ人の採用には繋がっていません。
それは人の確保ができていないことを意味しています。

人が採用できない状態では、お店の集客に対する取り組みもなかなか進まない状態が続きますね。
まずは採用通知を出して、選んで頂くことが大切ですね。

選ぶではなく“選ばれる覚悟で臨む”

求人倍率が3倍の市場の中で大切なことは、応募者はお客様である視点を持つことです。
こちらが採用者を選ぶのではなく、どうしたら応募者に選んで頂けるのか?の視点で活動することです。
この視点を持てるかどうかで、応募が来た時に成功するかどうかは9割以上決まります。
それくらい今は採用側が厳しい状況にあるのです。

この採用の現実は、集客の現実と一緒です。
需要に対して供給が足りない時は、供給者側はお客様を選ぶことができました。
何もしなくてもある程度選んでもらうこともできていました。
供給者側である採用側は、応募者に対して選ぶ視点から上から目線で対応することが可能でした。
この状況は2010年代に入り、人口減少が顕著に表れ、人材不足が表面化してくるまで続いていました。

しかし、2010年以降、人口減少、特に若者の人口減少が深刻化するにつれて、供給が需要を大幅に上回るようになりました。
供給が需要を上回る時代に大切なことは、選択する力があるのは需要側、採用で言うと応募者側になるのです。
つまり、採用側が応募者を選ぼうとした時点で、応募者はその会社、お店への応募の意思を取り下げる可能性があるのです。

選ばれる上で大切な視点

応募者側に選ばれる立場にある飲食店が持つべき視点は、どんな人に選んで頂きたいのか?顧客である求職者のイメージ像を描くことが大切です。
どんな人と一緒に働きたいのか?その人は何歳で、どんな特徴を持っているのか?できるだけ明確にしていきます。その上で、その人が、働く上でどんなことを職場に求めているのか?を明確にしていきます。

まさにマーケティングの視点です。
顧客は誰か?顧客にとっての価値は何か?この2点を明確にしたうえで、お店側として、提供できる強みを明確にしていきます。
例えば賄いが美味しい、昇給制度が明確にある、長く働くスタッフが多い、など自分のお店だからこそ届けることができる強みを明確にします。

ここまでできて初めて応募者を迎える心の準備ができます。
この明確にした求職者へのイメージを基に採用募集を行い、応募者を受け入れる準備をしていくのです。

では応募してきた求職者に選ばれる為には、どのような準備と対応が必要なのでしょうか?
次回は準備と対応についてお話していきます。

☆今日の質問☆
あなたはどんな人と働きたいですか?