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岩田 徹

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第7回 緊張する場を与えよ

2021/01/29

昨年のプロ野球。
パリーグでダントツの優勝、そしてセリーグチャンピオンの巨人に対して4連勝で、
4年連続の日本一を決めた福岡ソフトバンクホークス。

走攻守、全てにおいて高いレベルのチームで、
4年連続日本一が示す通り、その強さは圧倒的です。

プロ野球は1球団の支配下選手(公式戦位出場可能な選手)は70人が上限。
ですが、ソフトバンクホークスは他球団に先駆けて2011年から「3軍」を作り、
公式戦には出場できないものの、プロ選手を目指すために練習を重ねる選手、
いわゆる「育成選手」を現在も20名ほど抱えています。

この4連覇をチームの中心選手として活躍し、日本代表にも選ばれている、
千賀投手、甲斐捕手、周東内野手は育成選手出身です。

育成選手は公式戦には出場できませんが、2軍、3軍の試合には出場できます。
育成選手に指名されるだけでも、私からすればすごい選手ですが、
そこはプロの世界。結果を出さないと厳しい現実が待っています。

ソフトバンクホークスが先駆けて作った3軍は、社会人や大学、韓国プロ球団などとの試合を、年間で60~70試合するそうです。

打者であれば200~300打席のチャンスが設けられており、
日々の練習とともに、実践の場で鍛え上げ成果を出すことで、
プロ契約を勝ち取り、その先の1軍での活躍を目指しています。

野球でもサッカーでもそうですが、実戦感覚は実戦を積まないと当然磨けません。
練習でいくら理論的にピッチングやバッティングを学んだとしても、
実戦で活かせないことには話になりません。

真剣勝負の緊張感の中で、練習で学んだ理論、身につけた実技を披露し、
うまくいったこと、いかなかったことを振り返り、自らの血肉にしていき結果を出す。

このサイクルが必要なのだと、ソフトバンクホークスの事例を見ても理解できます。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

経験の浅い社員に実戦の場は与えられていますか?

自ら考え、自ら動き、自ら振り返る。

プロ野球で言う真剣勝負の打席に、皆様の会社の経験の浅い社員は立てていますか?

いくら知識を学んでも、いくら理論を学んでも、
それを試す場、実践する場がなければ、本当の意味で仕事力は上がりません。

かわいい子には旅をさせよ。

誰にも頼れず、自らが状況を打開せざるを得ない時、その人の真価が問われます。
人材育成のスピードが遅い、成長速度が遅いと感じられている方は、
自社に実戦の場が設けられているか、今一度見直してみるのはいかがでしょうか。