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高松 秀樹

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第6回:商社の社長交代から考える

2021/01/23

求職者から根強い人気を獲得し続ける5大商社。
世界を相手にハードワークに挑戦するイメージもありますが、何れも平均年収は1,200万を超える高収入。

そんなトップ商社のうち、2社が4月1日付けでの社長交代を発表しました。

三井物産は、2015年に32人抜きの大抜擢で就任した安永社長が会長に、そして堀専務が社長に昇格。

一方。

2020年6月に時価総額において三菱商事を抜き、業界トップに立った伊藤忠は、鈴木社長を在任わずか3年で交代させ、石井専務を社長に昇格させるとのことです。

TwitterやYahoo!コメントなどネットでは、「人事権を握っている会長の傀儡経営だ」などの批判の声も聴けますが、ここでは置いておき、新社長二人の出身に注目してみますと、ふたりともが、化学品畑を中心に歩んできているのです。

石井新社長(伊藤忠)のオンライン会見での
「(化学品部門という)地味な業界にいたので、社長就任は1ミリも考えていなかった」の言葉からも伝わるように、商社における化学品部門とは、花形ではないのです。
伊藤忠においては繊維や食料、住生活といった生活消費関連が主力花形であり、サプライズの昇格だったことがうかがえます。

一方、32人抜きのサプライズ昇格が業界を驚かせた三井物産は、今回はそれをすることなく、順当に堀専務の昇格を選んだのです。

グローバル商社での社長交代背景などを見ると、今後、世界経済において、化学品分野の影響力が高まることが予測できるかもしれませんね。

ところで。
世界的に有名な投資家、ウォーレン・バフェットさんが5大商社の株を買い進め、昨年8月には各社の大株主にまでなっていることはご存知ですか?

日本の大手商社の成長力は「まだまだ高い!」と見られているようなのです。