フリーアナウンサー 山口智子 様（其の2）
今回の対談は、フリーアナウンサーの山口智子様にご協力頂きました。
山口さまは、22年間アナウンサーとしてキャリアを積んでこられ、現在はフリーアナウンサーとしてはもちろん、声と話し方、聴き方の講師としても活躍されています。
また、大の日本酒好きと言うこともあって、日本酒酒蔵様の物語や込められた想いを伝える酒蔵ナビゲーターとしての活動もされています。
今回は先週に引き続き山口様のキャリアと現在のお仕事について話を聞いていきたいと思います。
金山：先週のお話しの続きになりますが、小学生の頃からの夢を叶えた一方で悶々としたものがあったとのことですが、どのようなことがきっかけでそれが晴れてきたのでしょうか。
体系立てて見えてきたもの
ラジオ時代の蓄積も含めて司会の現場でかなりの場数を踏ませて頂いたこと、そして、ポッドキャストで日本酒の番組を始めたこと、さらにそこからインタビュワーやアシスタントのお仕事が広がったことが大きかったです。
これまでラジオ業界で多岐にわたる業務をやらせて頂いた経験がまさに今活きていることがとても嬉しかったです。
自分なりに「こういう風にすると人に伝わるんだ」「こういう風にすると人はどんどん話してくれるんだ」といった自分の中でのやり方が見えてきまして、それを人に伝えると教えて欲しいという声を頂くようになったんです。
それがきっかけで話し方、聴き方を教えるようになったんですけど、私が今まで悩みながらもやってきたことが役に立つんだと思いまして、徐々に自分を肯定することができるようになったんです。
自分の中でこうすればいいんだというものが、体系立て見えてきたんです。
とても自信になりましたし、それを伝えることで有難うと言ってもらえる、とても喜んで頂けて私も嬉しかったですね。
それが今現在お仕事としてやっている声と話し方、聴き方のレッスンにもつながっています。
金山：先日私も山口さんの体験レッスンを受けさせていただきましたが、そのアプローチがとっても斬新で面白かったです。
人生生きてきて声の出し方、強弱と間、スピードなど、私の特徴を理解しながらレッスンして頂いたのは初めてですからね。
それと1時間という時間でしたが、あっという間でとても楽しかったですね。
山口さんの中で基準と言いますか、理念と言いますか、何か大切にしているものってあるんでしょうか。
そうですね。まず自分が楽しみながらやるというのが共通している点ですかね。
金山：そういえば私気になっていたんですが、酒蔵ナビゲーターという活動もされているんですよね。
魂の底から湧き上がる感動を伝えていきたい
これは死ぬまで続けていきたいライフワークの一つなんですけど、もともと日本酒が好きで体にも合うのでよく飲んではいたんですけども、ちょうど昨年の1月に日本酒のイベントをやろうという話がありまして、麻布十番の長谷川酒店というところにイベントで使うお酒を選ぶので相談をしに行ったんです。
そうしたら一本一本のお酒ができるまでのストーリーを教えて下さって、例えばこれは3.11の津波で壊滅状態になったところから蔵を再建させてできた一本なんですよとお話し頂いて、そういうストーリーをはじめて聞きまして、これ一本ができるまでに色んな物語が各蔵にあるんだよなと思ったんです。
そしてその後2月くらいに、ずっと行きたかった熊本県の花の香酒造に行く機会がありまして、蔵の六代目神田清隆さんに話しを聞いたんですね。
すると、お酒はその土地のお水とお米と気候風土でできるものなので、その土地を表現していてその土地を醸すことなんですよねとおっしゃっていて、その土地を醸すことに命を懸けてますと。
どん底から這い上がって今伸びている蔵なのですが、そのお話しを聞いた時に、魂の底から湧き上がる感動と言いますか、鳥肌が立ちまして。これは作り手さんの想いと一緒に日本酒の素晴らしさを伝えていきたいと思ったんです。
私は伝え手として今までやったきたので、そういう方の想いを引き出すインタビューと共に日本酒の良さを伝えていこうと思って昨年の6月からPodcastで発信をはじめたんです。
金山：そんなストーリーがあったんですね。
日本酒好きとして、そしてアナウンサーとしての使命なのかもしれませんね。
次週は山口様が目指す今後のビジョンについてお話を聞かせてください。
