HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第24回 ペーパーレスの運用について

第24回 ペーパーレスの運用について

2021/08/19

盆暮れとゴールデンウィークは、登壇や打ち合わせも少ないので、事務所の整理整頓の時間に充てています。
そのほとんどが書類の整理になります。

昨年から、研修や打ち合わせをオンラインにシフトしたこともあり、以前と比べると「紙」の資料は少なくなりましたが、それでも「微減」。
というのも、オンライン研修の教材は、印刷物として受講者にお渡しすることが多く、必然的に講師も同じものを保有しているからです。

併せて受講者から提出された事前課題もお客様にいただいた参考資料も、講義進行の関係から印刷しておきます。
これらは研修が終了しても、所感作成やお客様との研修の振り返り、後日の質問対応とあるので、すぐに廃棄もできないことが多いのです。

結局は時間のあるときにまとめて廃棄及びスキャンするのですが、その度にふと考えるのがペーパーレス化の運用についてです。

書類をスキャンしてデジタル化し、PCやクラウドサービスに保存すると、物理的なスペースは確実に片付きます。
またクリッピングした新聞や雑誌、社内外のパートナーとやりとりした書類も、同じようにデータ保存します。
必然的にデジタルデータが増えていくので、整理保存の方法はルールを決めておく必要があります。

基本的には「顧客名・案件名・日付」で仕分けていくのですが、仕事全般にわたる参考資料や気になる雑誌やネットの記事などは、何らかのタイトルと日付をつけて、一括りで保存しています。
PDFにしてOCR処理してから保存しているので、検索もしやすくはなってるのですが、検索でヒットしたファイルを一つひとつ確認していく場合には、すごい手間を感じたりすることがあるのです。

何が言いたいのかというと、紙の書類でファイリングされたもののほうが(時と場合によっては)書類が探しやすい、見つけやすい場合もあります。
客観的に考えるとデジタル検索のほうが合理的だと思うのですが、紙の場合は、一つの書類を探す過程で、関連する資料も同時に見つけられたり、関係のない書類を見て仕事やアイデアを思い出すことがあり、決して効率が悪いともいえないわけです。

以前は、少し時間のあるときに紙ファイルを閲覧する習慣があったのですが、それは自分の目の届くところに紙ファイルがあったからできたのだと思います。
また休みのときには、気になる書籍や雑誌を片っ端から閲覧してクリッピングしたのは、目の届くところに本棚があったからだと思います。

いずれも、やり残していることはないか、また新たなアイデアはないか、といった気になることのアウトプットにつながることです。
視界に入ってくるから、その行動にスイッチが入るような気がします。
定期購読しているビジネス雑誌も以前は郵送でしたが、最近はデジタル配信になりました。
忙しさに紛れて読み忘れることがあるのは、物理的に視界に入ってこないからではないかと思うわけです。

ペーパーレスは、今後も推進していくべきことですが、一方で物理的に目に触れないことの弊害も出ているような気がします。
故に保存方法に工夫をして検索をスムーズにしたり、デジタル化されたものを定期的にチェックできるようなリマインダーをかけることなどが必要です。
紙のよさもありますが、それをどうやればデジタルで代替できるかを考えるところに、現場のイノベーションがあるような気がします。