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金山 正明

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第30回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2021/07/04

Bish株式会社 代表取締役 齋藤 吉秀様(其の2)

先週に引き続きBish株式会社 代表取締役 齋藤 吉秀様にご協力頂きました。
Bish株式会社様は、M&Aマッチングサイト(ビジネス売買プラットフォーム)「Bish」の運営とハンズオンで支援するM&Aのアドバイザー業務を展開されております。
今回は事例を踏まえたM&Aの組織統合についてお届けいたします。

金山:先週は会社紹介と共に、創業に至るまでのストーリーを伺いましたが、今週は今までのご経験の中から事例を踏まえてお話し頂けますでしょうか。

買収後によくある給与面でのトラブル

そうですね。
一つは、買収後によく問題になりやすいのが、給与面でのトラブルなんですけど、とある食品製造をしている工場が売却されたときのお話しをしたいと思います。

元のオーナーさんが創業者で、売却をして去っていったんですが、やはり従業員の方々の今までの我慢と言いますか、うっぷんが湧いて出てきてですね、特に給与に不満を持つ方々が多くいらっしゃったんです。
こういった問題は、決算書や帳簿上では分からないものなので、M&Aを行う際には大切なポイントになってきますね。

この時買収した会社の社長さんは、残った従業員の方々と真摯に向き合い、一時的なボーナスや働いた年数とインフレ率から割り出した給与を提示するなど、働く方々が納得して働くことのできる環境をつくって信頼関係を構築していました。
他にも給与面でのトラブルは多く、私のお客様ではないのですが、M&Aの最中に未払い残業代を請求されるケースもよくあるそうなので、そういった目に見えない部分は特に気を付けたいポイントですね。

金山:給与面でのトラブルが一番多いんですね。他にも帳簿上では読み取ることのできないトラブルってありそうですね。 

買収後の統合作業で出てきた難題

そうですね。
買収後の統合作業での例ですが、私がドイツの現地法人に出向に行っている時に実際にあったお話をしたいと思います。

一つは、社名変更についてです。
ドイツの法人を買収後、社名変更しようとしたのですが、現地スタッフからの反発がかなりありまして。
やはり今まで自分たちがやってきたことへの誇りをもって仕事をしていますので、慎重に進める必要がありますね。

もう一つ私が当時一番苦労したことが、人事評価システムの導入ですね。
現地スタッフとしては、これで評価がどう変わるのか、自分の給与にどんな影響がでるのかと懐疑的なスタンスでいるなかで、どのように納得して受けてもらうかが一番の難題でした。

日本側からは、とにかく受けてもらえればいいからとしか言われていませんでしたので、現地スタッフ一人ひとりと話しを重ね納得して受けてもらうまで本当に苦労しました。
周りの同僚が自分のことをどう思っているのかを改めて認識することもできるし、直接見ていない社長にも客観的資料として見てもらうことができるという点、そしてその評価は直接給与に関わることはないということを一人ひとり何度も話しをして最終的には実施をして頂けました。

金山:なるほど。
M&Aってシンプルにシナジーとかを狙って買収するケースがあると思いますが、斎藤様のお話を伺う中では乗り越えるべき壁が多くありそうですね。

そうですね。
他にも、クロスセルができるようになるからうちの商品もこれだけ売れるようになるんだと思いがちなんですが、顧客層があってるからってクロスセルが全部うまくいくかというと全然そうではなくてですね、そういったところは甘く見積もらないほうが良いのではと思いますね。

金山:よく企業は人なりと言いますが、M&A企業間で行われるものですが、働く人たちが培ってきたものが成否を大きく左右しそうですね。

まだまだお話しを伺いたいのですが、次週はBish様の今後の展望についてお話を聞かせてください。

会社情報

会社名:Bish株式会社
本社:東京都新宿区若松町8番8
コーポレートサイト:https://bishgroup.net/corporate/
事業内容:・M&Aマッチングサイト(ビジネス売買プラットフォーム)「Bish」運営
・M&A仲介・アドバイザー業務
・起業・スタートアップ支援業務
・コンサルティング