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岩田 徹

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第191回 1点の重み

2024/08/09

連日熱戦が繰り広げられているパリオリンピック。
毎日さまざまな競技で日本選手の活躍が放送されており、
スポーツ好きにとって最高の毎日です。
オリンピックも後半戦に入ってきますが、これからも日本選手の活躍を楽しみに、
毎日寝不足になりながら観戦したいと思います。

本日取り上げるのは、そのパリオリンピックの中の男子バレーボール。
世界ランク2位で、史上最強と言われ、金メダルの可能性もあると期待していました。
しかし予選ではまさかの1勝2敗。
予選リーグ3位でなんとか決勝トーナメントに進出できました。
チーム全体であまり勢いに乗ることができず、多少チグハグな印象を持った予選でした。
そして8月5日に迎えた準々決勝。
相手は世界チャンピオンのイタリアです。
2メートル級の選手を多数揃え、予選でもブロックをどんどん決め、
3戦全勝の1位で通過してきた文字通り優勝候補です。
その強敵イタリアに対し、予選不調だった日本がどこまで対峙できるのか。
不安を感じながら観戦しました。

負ければ終わりの一発勝負の決勝トーナメント。
悲願のメダル獲得のためには負けられない一戦。
その一戦で日本男子チームは素晴らしい戦いを繰り広げます。
相手の強烈なアタックを拾い攻撃に繋げる。
相手がコースや強さに変化を持たせて攻めているが日本が粘り抜く。
そんな試合が序盤から繰り広げられました。
そしてその粘りが功を奏し、日本は2セットを先取。
迎えた第3セットも24-21とマッチポイントを迎えました。
あと1点取れば日本が勝つ。イタリアは瀬戸際まで追い込まれ、
会場で観戦するイタリアサポーターの表情も曇っていました。
ところがマッチポイントを迎えてから相手のサーブで崩され、逆転でこのセットを落とします。
第4セットも接戦で落とし、最終の第5セット。
先にマッチポイントを迎えた日本チームでしたが、そこからまさかの逆転負け。
勝利まで1点という状況を何度も迎えながら、最後の1点を取ることができませんでした。

見ている私も今日は勝った、と思った第3セットのマッチポイント。
中で戦う選手たちがどういう心理状況だったかは分かりませんし、
イタリア相手に慢心があったとは思いません。
が、最後の1点を奪い切るだけの運を持ち合わせていなかったのも事実です。
勝負は下駄を履くまでわからない、
とよく言われましたが、選手たちは何度も何度も言われているでしょうし、
体験したきた選手も多くいたと思います。
それでも尚、最後の1点の大きさ、大切さを痛感させられた試合でした。

勝ち切る、やり切る。
スポーツだけでなく、仕事におけるあらゆる場面においても肝に銘じたい、
そんな試合でした。
日本男子バレーボールチームの勝利がただただ見たかったです。無念でした。