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岩田 徹

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第172回 強いチームの一体感

2024/03/29

前回に続き、F C今治の岡田武史さんのお話。
サッカー日本代表を率いて2度のワールドカップを戦ったり、
Jリーグのチームを率いてリーグ制覇したり。
国内だけでなく、海外でもチームを率いた岡田さん。
組織づくり、チームづくりはサッカーだけにとどまらず、
中学生、高校生の体感型学習でのチームづくりなど、
大小様々なチームづくりを経験されたそうです。
数々のチームを作り、率いてきた経験から導き出されたこと。
それは、強いチームには一体感があるが、一体感を目的にチームを作ると弱くなる、
ということです。

サッカーで例えをされていましたが、
明らかに関係性の悪い個人同士でも、フォワードであれば勝負どころで決め切る、
守備であればピンチで防ぐ。
力のある選手がそれぞれの強みを発揮していけば、
たとえ最初の関係性が悪くても、双方にストロングポイントを尊重し、
勝負に勝つことで自然と一体感が増す、とのこと。
勝つことでより一体感が増し、チーム力が向上し強くなっていくそうです。
逆に、チームを強くするためにまずは一体感を出そうとすると、
一体感を作ることが目的になり、確かにチームとしての仲の良さ、一体感があるが、
それとチームの強さは一致しない、とのことです。

チームづくりにも目的が大切で、
勝負の世界であればその目的は勝利すること。
決して一体感を作ることが最終目的ではないのです。
仲のいい組織は居心地が良いです。
雰囲気も良いでしょうし、人間関係で悩むことも少ないでしょう。
企業経営に置き換えて考えると、一体感はあるが業績が悪い組織は良い組織でしょうか?
決して良くないでしょうし、結果が出ない組織で一体感を保ち続けるのは困難です。
私が以前勤めていた会社も、社員同士の仲がよく、明るく楽しい職場でした。
人間関係で悩むことは皆無でした。
が、業績悪化で最終的には倒産してしまいました。
仲の良かった仲間はどうなったか。
組織からどんどん離れていきましたし、会社も人員を抱えきれなくなりました。
業績悪化と共に雰囲気も悪くなっていきました。

一体感があるに越したことはありません。
が、どこかで目的を履き違えてしまうと、取り返しのつかないことになります。
チームづくりの目的を間違わないようにしていきたいですね。