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岩田 徹

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第164回 ハングリーさ

2024/02/02

プロ野球、ソフトバンクホークスの和田毅投手。
松坂世代の42歳で、今尚、現役投手として活躍しています。
昨シーズンも21試合に登板し8勝6敗。
チームに多くの勝利をもたらしました。
その和田投手が昨年末の契約更改の際に話されていたことが印象的でした。

ソフトバンクには3軍もあり、
育成契約であってもプロ野球選手であることに違いはありません。
今の若手選手について思うこと。
それは、たとえ3桁の背番号であっても、
ソフトバンクの1軍と同じユニフォームを着て、
ソフトバンクの名を背負い、プレーができるのは贅沢なことなのだ、と。
そうしたことをしっかりと認識して若手選手が日々過ごしているのか疑問に思う。
とのことでした。

メジャーリーグの経験もある和田投手。
メジャーリーグでは、トップチームとは違うユニフォーム、違うチーム名でプレーします。
和田投手もマイナーリーグでの経験があるので、その価値は理解されています。
またアメリカでは活躍の見込みが薄いと感じたら、
翌日にクビになる可能性もあったそうです。
だからこそ、マイナーの若手選手たちのハングリーさが日本とは全く違うそうです。
日本では1軍であれ3軍であれ、育成契約であれ、1年間の保証があります。
1年間はクビにならない選手と、明日クビになるかもしれない選手では、
少しでも上に上がろうという気概に大きな差があるとのこと。

プロ野球選手になることがゴールではなく、
成長し、活躍し、子どもから憧れられる選手になること。
トップのトップの集まりがプロの集団なので、その中で這い上がっていくのは至難の業。
1年経過すれば、また新しい新人が加入してきます。
激しい競争社会に身を置くプロ野球選手。
和田投手は、トップと2軍、3軍でユニフォームを変えてもいいくらいだとおっしゃっていました。
会社においてはどうでしょうか。
そこまで貪欲に成長を志向する若手はどこまで存在するでしょうか。
プロ野球では、1年の保証でハングリーさが薄いと言われる世界。
会社は1年どころか長期間の保証があります。
正社員になることがゴールではありません。
会社員はその道でプロ契約を結んだ人間です。
貪欲に成長し、会社や仕事を通して社会に付加価値を還元すべきだと思います。
プロ野球界でさえ薄れてきているというハングリーさ。
会社に身を置く人間として、強い危機感を覚えた瞬間でした。