「GX=グリーントランスフォーメーション」を通じて「脱炭素」「エネルギー安定供給」「経済成長」の3つを同時に実現するべく、昨年「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されましたが、世の中は「脱炭素社会」を目指し、日々進んでいます。
戦後以降、日本経済の成長を支えてきた「鉄鋼産業」でも、「日本製鉄」「JFEスチール」など鉄鋼大手が脱炭素へ舵を切っています。
2020年度には、国内で排出された産業部門の「二酸化炭素(CO2)」の「約4割を鉄鋼業」が占めていたと環境庁が発表していますが、100年以上の歴史を持つ高炉製法を抜本的に見直す脱炭素戦略には、鉄鋼業という枠を超えた新たな取り組みも必要になってくることかと思います。
そんな年始に、「日本製鉄」は、今井副社長が4月1日付で「社長兼COO(最高執行責任者)」に昇格する人事を発表しました。
この社長昇格には、今井氏の経験・実績が見えます。技術畑の出身であり、名古屋製鉄所所長を務めるなど、長く生産現場に携わり、副社長就任後には、「電炉」の活用や「水素」を使った生産方法の拡大も主導してきました。
とりわけ、二酸化炭素の排出が削減できる「電炉の拡大」を進めてきた今井氏を起用したことで、脱炭素の取り組みは、ますます加速されることでしょう。
「鋼材の安定供給を継続しつつ、研究開発成果を他国に遅れることなく国内でいち早く社会実装することにより、産業の国際競争力を確保し、我が国の経済成長に貢献していく所存である」と、「日本製鉄」のHPには記載されています。
鉄は国家なり!