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岩田 徹

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第158回 ポジション争い

2023/12/22

野球9名、サッカー11名、ラグビー15名。
レギュラーとして先発で試合に出る人数は限られています。
控えとしてベンチ入りできるメンバーも限りがあります。
プロになるという小さい頃からの夢を実現した選手たち。
ただその先に待っているのはハイレベルなポジション争い。
各競技でトップの中のトップの選手たちが集まる場です。
普段の練習から高い意識で競争し、ようやく勝ち得る試合出場という機会。
そしてその機会を活かせるかどうか。
機会を活かしレギュラーになっても、そのポジションを虎視眈々と狙うライバルの存在。
そして1年経過すればまた新たに有望な新人選手が入団してきます。
時にはトレードなどで他チームの有力選手が移籍してきます。
限られたポジションを、レベルの高い選手たちで奪い合う世界。
今後、ポジションを奪う見込みがない、チームの構想から外れた場合、
そこに待っているのは戦力外通告。職を失うことになります。
ここぞという場で結果を出すために日々鍛錬し、
気が遠くなるような激しいトレーニングを積んでいます。

比較して会社員はどうでしょうか。
就職活動や転職活動をして正社員というポジションを得て入社をします。
ポジションは限られている訳ではなく、平等に機会を与えられます。
また丁寧に指導してもらい、試合で力を発揮するためのサポートもしてくれます。
また試合でうまくいかなかった場合も、上司や先輩がカバーしてくれます。
結果が出ようが出まいが、余程のことがない限りその立場は奪われることなく、
鍛錬せずとも、立場が守られています。
仕事を通して報酬をいただくという図式だけ考えると、
スポーツ選手も会社員もプロという世界に属します。
ですが、その危機感の違い、ポジション争いの激しさには圧倒的な差があります。
それでいて環境や状況に不満を持ち、会社という場を離れたところで愚痴をこぼします。
なんと甘い世界でしょうか。

入社すればポジションは与えられて当たり前。
他の侵入を許さないようにして立場を守り続けて居座り続ける。
そのような選手が多い組織がこの先も続くでしょうか。
華やかに見えるプロスポーツの世界。
シーズンオフに入りチームを去る人、引退する人のニュースを見るたびに、
なんと温かい環境に自分は所属していたのかと、改めて実感する今日この頃です。